イシナマコの刺身

 まさかこのコーナーでナマコを取り上げることになろうとは、著者である僕も夢にも思わなかった。

 ナマコといえばところによっては珍味として珍重される食材だけど、ここ沖縄のナマコは、ウヨウヨいるわりには食べられないものばかり…と誰もが信じていたからだ。

 もちろん、食べるものが何もなかった頃は、とりあえず口に入れても大丈夫なものとして利用されていたこともあり、その調理法もあるにはある。しかし今の飽食日本の世の中で、それをわざわざ作って食べようなどという酔狂な人はもはやいないといっていい。

 ところが!!

 金になると見るやなんでも根こそぎ奪い去っていく中国その他アジアの密猟者たちが、血ナマコ……じゃなかった、血マナコになってナマコを獲りまくっているらしい。

 タツノオトシゴのように、漢方の原料にするのだろうか?

 たしかにそういう使われ方もあるのかもしれないけれど、なんと主目的は「食材」としてだというのだ。

 今や那覇あたりの居酒屋では、すでにナマコは高級食材として流通しているという。もっぱらイシナマコであるらしい。
 業界のそういうウワサを聞きつけた機関長キヨシさんは、すぐさま実行に移した。

 で、持ってきてくれたのが、ナマコの刺身ポン酢漬け(写真上)と、ナマコの刺身機関長スペシャル味噌和え(写真下)。

 これがもう、恐る恐る食べた覚悟とは裏腹に、なんちゅうか本中華(古い?)、期待を大幅に上回る逸品なのである。
 もっとも、ナマコ自体にはもともと味はない。その決め手は機関長の味付けにあるというのはもちろんながら、食感が実に魅惑的なのだ。

 なんといったらいいのだろう、こんにゃくゼリーをもう少し動物質にした感じで、これってゴム??って思ってしまう2歩手前、ってところ。
 その加減は茹で時間で変わるから一概には言えないものの、機関長スペシャルはそれが絶妙で、酒の肴としては申し分ない。

 中国人密漁者がまだ来ないうちに、もう少し食べておこうっと♪

 ナマコもいつか日の目を見る

潜っていると、ときどきこうして字を書かれたモノがいる……。

 


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