全長 25cmほど
ダイビングサービスを精力的に(?)営業していた頃は、シーズン中の穏やかな日和にのんびり散歩する余裕などまったくなかった。
ところが突如降って湧いたコロナ禍、それも初期の頃はどこもかしこも完全クローズだったから、GWをはじめとする繁忙期でものんびり散歩できた。
都会とは違い、過疎地域の小さな島では散歩をしてもヒトに会うことがないから、外出自粛もへったくれもないのはいうまでもない。
ただし、ヒトには会わないかわりに、それまで出会ったことがない鳥さんたちと会う機会が多々あった。
GW直前に、のんびり昼の散歩をしていた際、裏浜で出会たのがこの鳥。
いかにも水辺にいそうな鳥ながら、これまで水納島で観たことがないのは間違いない。
最初は潮溜まりの脇をヒョコヒョコ歩きながら餌を探していたようなのだけど、我々の存在に気づくとジッとしてしまった。
そこへ2羽目がやってきてのツーショット。
初遭遇のこの鳥さんたちは、どうやらキアシシギらしい。
胸のあたりの模様からすると、これは夏羽のようだ。
しかしホントにキアシシギなのかどうか、その名が示す最大の特徴がある脚が見えない。
そういえば、最初に歩いているところを撮った写真があるはず…
あ、脚マッキッキ!
図鑑によるとキアシシギは九州・沖縄では越冬するものもいるそうなのだけど、これまで水納島で一度も観たことがなかったくらいだから、島で越冬しているのはごく少数なのだろう。
それでも春や秋の渡りの時期に、県内各地に群れで来ているというから、これまで1度や2度会っていてもおかしくなさそうなのに…
あ。
キアシシギがよく観られるのは、春なら4月、5月、そして早い時は7月下旬から10月にかけてフツーに観られる、という。
4月5月にしろ夏から10月にしろ、それまでの我々は、そんな時期にのんきに海辺を散歩してなどいられなかった。
シロチドリのようにたくさんいるのならともかく、そのような時期に滅多にない散歩の機会で目にするのはキセキに近い。
なるほど、今回羽休めに来ていたらしきこの2羽と出会うことができたのは、つまるところGW突入時期にもかかわらずコロナ禍自粛でヒマだったおかげか。
やはりコロナ、グッジョブ。
それから3年経った今年(2023年)1月の夕刻、同じく裏浜で再びキアシシギに遭遇した。
羽の下の模様の感じが異なるのは、夏羽と冬羽の違いなのだろう。
いずれにせよ1月のことだから、「ごく一部」の限られた沖縄越冬隊員に違いない。
それが選ばれし者なのか落ちこぼれなのかはわからないけれど、裏浜での暮らしも慣れたもので、こうして水面下をサーチしては…
…小さなカニをゲットしていた。
少数が冬を越す程度には、裏浜はエサ場として利用できる環境らしい。
その後早春に、桟橋上にキアシシギらしき鳥さんたちが10羽くらい勢揃いしているシーンに巡り会った。
アワワ、アワワしているうちに飛び去ってしまったので記録には残せなかったのだけど、10羽近くが群れ成して島に飛来することもあることを知ったのだった。