全長 12cmほど
2018年の春、まだ3月半ばというのに、Tシャツ短パン姿でいてさえ屋外にいると暑すぎるほどだった日のこと。
翌日用のカメさんたちのエサを採りに、カモメ岩方面に向かう道を歩いていた夕刻、路上にツグミの姿が見えた。
けっして多くはないものの、この数年前から冬の間のお馴染みさんになっているツグミ。
ワタシの進行方向の路上で採餌しているものだから、歩くのをやめてしばらくジョニーでツグミを追っていると、ツグミのそばに別の鳥さんが1羽いることに気がついた。
ん?これは……?
ツグミと比べれば遥かに小さく、スズメよりも小柄に見えるその姿は、これまで観たことがない鳥さんぽい。
さっそくジョニー(コンデジ)でズーム!
おお、やはり初見の鳥!
…ということはその場でわかったものの、種類まではわからなかったので帰宅後調べてみると、これはマヒワだった。
当時目にしたことがあるヒワの仲間といえば、何年か前に一度だけ観たベニヒワ以来で、個人的水納島初記録種である。
そのまま立ち止まって観ていると、ツグミと一緒に地面を物色しているようだった。
ところが突然、なぜだかマヒワは↓この姿勢のまま動きが止まってしまった。
なおも見ていると、完全に「伏せ」状態になったマヒワ。
ワタシを警戒しているのだろうか?
いや、その視線は右側の木立の上方に向けられている。
完全に上方警戒態勢だ。
そばにいたツグミも、完全静止状態で同じ方向を向いていた。
きっと上空に猛禽系が飛んでいるに違いない。
…と思っていたら、突如傍らの藪から、ウグイスらしき声がけたたましい警戒警報を発し始めた。
春ともなればウグイスの声は日常だけど、ウグイスのこのような鳴き方は初めて耳にする。
小さな体なのに、なんというボリューム。
その声の主はどこにいるんだろう?
…と、目線を声がする方向に向けたその時!
バサッと音がしたかと思うと、1羽のサシバ(推定)が、マヒワのいたあたりにサッと舞い降りた。
上空を飛んでいたのではなく、樹上から狙っていたのか?
それを敏感に察知したマヒワとツグミは、目立たぬよう動かぬよう、身を伏せていたのだ。
しかしそこはそれ、猛禽類の視力はマサイ族なみだから、いくら小さくとも伏せていようとも、サシバ(推定)はしっかりロックオンしていたに違いない。
はたしてマヒワはサシバに捕えられてしまったのだろうか。
マヒワに会ったのは、今のところ後にも先にもこの時かぎり。であればなおさら、少しずつ近づいてたっぷり写真を撮らせてもらいたいところだったのに、まさかのサシバ(推定)の横槍。
そのサシバ(推定)のハンティングもまた千載一遇の大チャンスだったというのに、肝心の瞬間によそ見していたもんだから、撮影はおろかマヒワが逃げたかどうかさえ見られなかった…。
舞い降りるやすぐに飛び立ったサシバ(推定)の飛び方がいささか悔しそうだったところをみると、マヒワはなんとか逃げおおせたのかも。
サシバ(推定)には、もっとたくさんいる鳥で我慢してもらおう。