全長 20cmほど
時化のため連絡船が欠航していた2021年2月のある日のこと。
連絡船用バース側に避難させてあるうちのボートの様子を見るべく桟橋へ行ったところ、桟橋から続くコンクリート道に集まっていた鳥さんたちが、迫りくる軽トラに驚いてビーチのほうへ飛び去った。
姿形からしてチドリ系で、普段よく見かけるシロチドリよりもひとまわり以上大きい。
そのまま遠くまで逃げ去ってしまえば正体不明で終わっていたところ、幸いすぐ近くの砂浜に舞い降りてくれた。
もっと海岸植物側に目をやると、それまで石ころと思っていた黒い点々は、すべてその鳥さんたちだったから驚いた。
さっそくカメラを取りに戻り、おっとりカメラで再び桟橋に来て、そのまま車から覗く形でパシャ(軽トラから降りてしまうとヒトの姿を警戒して飛び去ってしまう)。
後刻調べてみたところ、これはメダイチドリという種類らしい。
県内ではフツーに観られる冬鳥(といいつつ年中いるみたい)だそうだけど、ワタシ自身は初遭遇だ…
…と思ったら、その3年前に同じ場所で似たようなシーンを撮っていた。
おそらくこの時は「シロチドリかな…?」で終わっていたのだろう。
その後撮った画像には、実際にシロチドリが混じっていることもあったから、当時ワタシが気づかなかったのも無理はない。
右がシロチドリ
ようやくメダイチドリと認識できた2021年の2月には、30羽ほどの一団が、砂浜の奥のほうでジッとしていた。
強風にジッと耐えているその姿、なんだか滝行している方々みたい…。
その一方で、数羽の元気な子たちは波打ち際でエサ探しをしていた。
その様子を、軽トラに乗ったまま窓を開けて車内から観ていると…
…エサを探しながら、タッタッタ…と駆け足で近づいて来さえしてくれた。
どうやら彼は、波が運んでくれる何かを食べているらしい。
メダイチドリを再び認識できたのは、同じ年の12月のことだった。
夕刻にカモメ岩の浜を散歩していたところ、潮が引いている岩礁上で、5~6羽のメダイチドリがエサを探していた。
同じ年とはいえ夏の間も島で暮らし続けていたわけではないだろうから、冬になって再び水納島に飛来してきた者たちなのだろう。
翌年4月には、軽石塗れになっているビーチに再び彼らの姿があった。
真冬に見ていた姿と比べると、春の彼らのほうが茶色っぽく見える。
2週間後に再びビーチに集まっていた彼らは…
…胸や襟足(?)の茶色味が強く出ている子(後ろ側)が増えていた。
夏羽、もしくは夏羽への変わりかけということなのだろう。
この年4月になってもビーチにメダイチドリたちが集まっている様子を観ることができたのは、コロナ禍のおかげであるのは言うまでもない。
何かと大変だったコロナ禍中ながら、こと鳥さんたちとの出会いに関しては、イイコトづくめだったといってもまったく過言ではないのだった。