全長 20cmほど
軽石騒ぎ勃発から1年経ってもなお、風の加減次第で海岸に多くの軽石が打ち寄せていた2022年の9月早朝のこと。
軽石の様子を見に桟橋に来てみると、桟橋のすぐ脇に見慣れぬシギ系の鳥さんがいた。
冬羽のシギ系は色味がどれも似ているから、見慣れぬというより見慣れたというべきかもしれないけれど、とにかくこれまで観たことがあるシギ系とは違うような気がした。
たった1羽で寂し気に波打ち際でエサを探しているその鳥は、ワタシが桟橋上から観ているにもかかわらず、ヒョコヒョコヒョコ…とエサを探しながら近寄ってきた。
おかげでいつになく近くから撮れたのはよかったものの、はてさて、この鳥は誰じゃらほい?
当時は誰だかわからず「不明」扱いにし、そのまま存在を忘れてしまっていたワタシ。
ところが今般ようやく写真があることを思い出し、さっそくグーグル先生に尋ねてみたところ、これはミユビシギであるらしいことがわかった。
他にも似たような種類がいろいろいそうながら、最大の特徴で見分けることができるのだ。
それはその名のとおりの足の指。
他の似た種類ではかかとのところに後ろ向きに伸びる指(第1趾)があるのに対し、ミユビシギは前方の3本だけ。
当時撮った画像を見るかぎり、足の指は前方に伸びる3本だけだから、まずミユビシギで間違いないだろう。
本土では春秋の渡りの季節に浜辺でごくごくフツーに観られるそうで、沖縄県内にも毎冬数十羽が飛来しているという。
でもワタシが水納島で目にしたのは後にも先にもこのときだけで、その後冬の間ずっと島にいたとも思えないから、おそらくチャンスはこの朝だけだったのだろう。
軽石の様子を確認する必要が無かったらこの日早朝にこの鳥と遭遇することもなかったわけで、ミユビシギとの一期一会はある意味軽石のおかげと言えるのだった。