(シマアカモズ?)
全長 22cmほど
2020年の師走、島で冬を過ごす鳥さんたちがあらかた渡来完了していたであろう頃のこと。
冬鳥の一番乗りは、天高く舞いながら独特の鳴き声で到来を告げるサシバと相場が決まっているのだけれど、小鳥系に限定すると、年ごとに違いがある(単にワタシが最初に出会う鳥という意味ですが…)。
この年の一番乗りはツグミで、次いでいつものようにシロハラがやってきた。
このあとはジョウビタキあたりかな…と予想していたところ、ジョギング中になにやら見慣れぬ野鳥を目にしたらしいオタマサが言うには
「モズだった気がする…」
大阪の府鳥が沖縄に?
彼女の「…気がする」ほどアテにならないモノはないのだけれど、なにげにザ・モズは大東島ではオールシーズン観られるそうで、本島その他県内各地でも冬鳥として渡ってくるらしい。
となると、可能性はまったくのゼロというわけではない。
それまで水納島でその姿を確認したことはなかったモズらしき鳥さんは、その後も畑の行き帰りやジョギング中に、オタマサはほぼ同じ場所でちょくちょく見かけるという。
当初は何を寝惚けたことを…と思っていたワタシも、そこまでいうなら実際に目にしたくなってきて、カメさんたちのエサ採りついでに目撃現場のひとつを訪れてみることにした。
すると……
いた。
イソヒヨドリと変わらぬサイズの鳥ながら、猛禽にも似たその顔がカッコイイ。
ただしこの鳥さんはザ・モズではなくてアカモズという種類のようで、なおかつ沖縄で観られるもののほとんどは亜種のシマアカモズだといい、モズの仲間のなかでは沖縄で最もフツーに観ることができるのだそうだ。
でもシマアカモズとザ・アカモズの違いがいまひとつわからないうえに、最近はそこにカラアカモズって亜種もいるよなんて話もある。
それぞれ何がどう違うのか、なんてことになると抜け出られない深みにハマってしまいそうだから、ここではアカモズということにしておく。
ちなみに尾羽も含めた背中側はこんな感じ。
沖縄県内ではフツーでも、水納島では初めて目にすることができたアカモズ。
九州以北では夏鳥で、そこで繁殖しつつ、冬には南西諸島に渡って来るというから、居心地さえよければ冬の間ずっと島に滞在してくれるかも…
…と期待を寄せていたところ、この年は冬の間ずっとというわけではなかったものの、羽休めの短期滞在か…と思ったわりにはけっこう長くいてくれた。
その翌年11月にも、アカモズは再び姿を見せてくれた。
画像補正のしようもないほどの完全無欠の逆光ポジションだったけれど、その姿はアカモズであることは間違いない。
前年と同じ子なのだろうか?
再びやってきたということは、わりと居心地よかったってことなのかな?
でもこれが今のところ最後の遭遇で、その後今(2023年4月)に至るまで、残念ながらアカモズの姿は目にしていない。
※追記(2024年11月)
例年同様後半はお天気がグダグダになった10月末(2024年)のこと、雨が小止みになったところで外に出てみると、家のすぐそばの電線に3年ぶりとなるアカモズの姿があった。
家に居ながらにして、これまでで最も近いところから観ることができた。
以前出会ったアカモズは冬の間ずっと居てくれるわけではなかったから、3年ぶりとなる今回も束の間の滞在となることだろう。
となると、この日以後しばらく島を留守をするワタシからすれば、たまさか家からその姿を眺められたなんてのは、きっと千載一遇だったはず。
お天気はグダグダでも、島に居さえすればなにかしら「スプーン一杯のシアワセ」的ちょっといいことに恵まれるのだった。