全長 40cmほど
直撃するわけではないのに、やたらと影響だけもたらす台風のせいで、全面的に時化ていた今年(2024年)9月半ばのこと。
ヘナチョコ台風を一応避けるためだったのだろうか、夕刻の桟橋散歩の際に、桟橋上に見慣れない鳥さんの姿があった。
遠目には小さめのサギかと見紛うほどに大きなシギの仲間で、その特徴的なクチバシから、おそらくチュウシャクシギと思われる。
何年か前に億首川の河口域で目にしたことがあるけれど、水納島では(個人的に)初記録だ。
1羽でいるとサイズ感がわからないけど、そばにいたシロチドリを追い払っていた様子を見れば…
…そのデカさがおわかりいただけよう。
チドリ類やシギ類はそのサイズのわりにけっこうけたたましい鳴き声で、チュウシャクシギは体がでっかいこともあってその声量はさらに大きく、ワタシの姿を察知して飛び去る際に、ボリュームマックスの声を聴かせてくれた。
どこまで飛んでいったのかは定かならなかったけれど、このあと裏浜にも足をのばしてみたところ、裏浜に出た途端、左奥の遠い干潟のあたりから、再びけたたましい声を発しながら、おそらくチュウシャクシギと思われる数羽の鳥が羽ばたいた。
どうやら独りぼっちじゃなかったようだ。
チュウシャクシギは沖縄県内では一部で冬の間ずっと滞在しているものもいるようながら、基本的に春と秋の渡りの季節に羽休めに短期間滞在する旅鳥ということになっている。
ということは、この日のチュウシャクシギたちは、秋になってどこからかやって来て、この日たまたま水納島で羽休めをしていただけだったのだろう。
この日の千載一遇の出会いは、ひょっとするとヘナチョコ台風のおかげかもしれない。