全長 15cmほど
2019年4月半ば、GWも間近というのに潔く連絡船が全便欠航していた日のこと。
海は朝から時化ている代わりにお天気は上々だったおかげで、春の行楽日和にのんびり散歩もできた。
散歩といってもカメさんたちのエサ採りを兼ねてなので、クワの葉を採りながらスローペースで歩いていたところ、沿道の草原に観たことがない(ような気がする)鳥さんを発見した。
さすがのジョニーでもやや遠い距離だったけれど、とにかく逃げちゃう前にと無理矢理撮ってみると…
ピンボケながらも、「観たことがない」は正しかった。
帰宅後さっそく図鑑「沖縄の野鳥」で調べてみたところ、ビンゴ!の写真が見当たらない。
嘴の形状やサイズからしてアトリ系かと思い、アトリ科方面で画像検索してみても、いっこうにピタリ賞が出てこない。
たとえアトリ系ではなくとも、これほど特徴的な色合いならすぐに判明するだろうと思いきや、まさか該当者がまったく見つからないとは…。
はて、この子はいったい誰じゃいな?
途方に暮れつつ再度沖縄の野鳥図鑑をパラパラめくっていると、「ズグロチャキンチョウ」という名前にビビッときた。
頭が黒いという特徴を表した名前である。
名前はピッタリでも、図鑑に掲載されている写真はあまりにも色味が異なっているから、これはもしかすると写真のモンダイなのかも…とダメ元で画像検索してみたところ…
ビンゴ!!
正体判明、その名はズグロチャキンチョウ。
しかもこの鳥さん、沖縄県内では相当なレアものらしい。
ネット上で見つけた2008年の琉球新報の記事では、当時で「県内で数例」の観察記録しかない迷鳥と紹介されている。
これはひょっとすると、人生最初で最後級の一期一会バード。
ああそれなのに……
ショボい写真しか撮れなかった。
写真はショボくとも、せいぜい昨日今日明日くらいのものであろう短期滞在型の鳥さんに奇跡的に出会えたのは、この日連絡船が欠航したから雑貨屋さんの店番をする必要が無く、散歩に繰り出せたおかげである。
災い転じて福となす。
欠航、ありがとう!