エビカニ倶楽部

コシオリエビ属の1種

Galathea amboinensis

甲幅 8mm

 最初にお断りしておくと、冒頭の写真は脱皮殻である。

 エビカニ類の脱皮殻も私にとってはストライクゾーンの被写体なので、原形をとどめている殻はなんであれパシャパシャ撮っている。

 この脱皮殻は2年前(2020年)に撮ったもので、砂底にポツンと鎮座していた。

 撮影当時は「コマチコシオリエビのバリエーションカラーかな…」で済ませていたのだけれど、このたびコシオリエビ類に注目していたところ、どうやらGalathea amboinensisという学名がついているコシオリエビ属の1種であるらしいことがわかった(まだ和名は無い)。

 まだ生時の姿を観ているダイバーは少ないのか、ネット上で観られる生態写真は極めて少なく、伊豆大島で撮られたものは、石灰藻が付着している岩肌についているものだった。

 もうひとつはウミシダの裏側についている写真で、はてどこのサイトだろう?とクリックしてみれば…

 それは当コーナーでお馴染みの(?)F教授の個人ブログサイトなのだった。

 そこでF教授が述べているところによると、このコシオリエビの仲間は夜行性のウミシダについていることが多いそうで、そのため日中に出会う機会は少ないかわりに、ナイトダイビングではよく観られるという話。

 また、ときおりウミシダから離れてエサを捜し歩くこともあるようで、そのため岩肌にチョコンとついているシーンが撮られているのだろう。

 夜に外に出てくるウミシダが定宿となれば、私が脱皮殻としか出会ったことがないのもむべなるかな。

 近年はすっかり夜の海とはご無沙汰しているので、久しぶりに潜ってみれば、たちまち魅惑の世界になることは間違いない。