体長 10mm
かつてあれほど「エビエビカニカニ…」と血眼になってサーチを繰り返していた私も、近年は「石の下の環境保護協会」を発足させるなど、なるべくエビカニたちがそのまま静かな暮らしを維持できる方向に意識が行くようになってしまっているために、「見つける」よりも「出会う」ことのほうが多くなっている。
ただしその出会いはあくまでもテキトーなので、潜っている時に「おっ?」と思って撮りはしても、それを系統だててまとめるなんてことがない。
そのため写真を振り返ってみると、何度も何度も何度も何度も、その都度初見のごとく「おっ?」と思いながら、同じ種類のエビを撮っていたりする。
冒頭の写真のエビのように、特に何についていると決まっているわけでもなく、ふとしたはずみに出会うことがある小さなエビの場合、このエビの正体やいかに?と熱くなることもなく、いわば撮りっぱなし放置プレイ状態で、まさかこんなに撮っていようとは我が事ながら思ってもみなかった。
パッと見はなんの変哲もなさそうに見えるけれど、ときおりイソギンチャクモエビやフィコカリス・シムランスに勝るとも劣らぬエビ反り姿勢を見せてくれる。
お腹に抱えている卵が直接海藻や刺胞動物など付着生物に触れないようにしているのだろうか。
正体不明ではあるものの、このエビ反り姿勢はモエビの仲間に違いない…という、たったそれだけの根拠でこのグループの正体不明選手ということにしている。
ただ、きっと同じ種類だろうとまとめたこのエビの写真を全て見てみたところ、合計6個体すべてがお腹に卵を抱えていた。
実はオスはハサミ脚などがまったく違う姿で、モエビの仲間ですらないとか??
以上のモノたちに比べるといささか異なるように見えるものの、きっと同じ種類なのだろうと推測しているのが↓こちら。
このテのモエビの仲間と聞いてすぐに思いつくヒメサンゴモエビやトゲヒメサンゴモエビとは、なんか違う気がする。
きっとアカデミズム変態社会の方々なら、このエビの顔だけ見て正体が判明するかもしれない。
正体をご存知でしたら、是非是非ご教示くださいませ。
※さっそく追記
「エビカニガイドブック1八丈島編」を見ていたところ、トゲヒメサンゴモエビとして紹介されている写真のエビがこのエビにそっくり。
図鑑上の大きな写真はオスのもので、やはりかなり立派なハサミ脚をしている。
メスの写真は小さすぎてディテールがわからないけれど、オスの体表に現れている不規則な形の白色斑の雰囲気がそっくりだ。
ということは、やっぱりこのエビはトゲヒメサンゴモエビなのでしょうかね…。