(Pagurixus dissimilis)
甲長 5mm
名前に「ヒメ」とつく生き物は、その対象となる生き物よりも小さめであることが多い。
なのでヒメホンヤドカリ属ということは、ホンヤドカリ科のなかでは小ぶりなものたち…という意味合いが多少なりともあったのだろう。
ところがその後研究が進み、他のホンヤドカリ科のヤドカリさんたちと大してサイズがかわらないものたちもフツーに「ヒメホンヤドカリ属」になっていたりする。
それでもヒメホンヤドカリ属の中にはホントに「ヒメ」なものたちも多く、冒頭の写真のヤドカリさんも相当小さい。
これは砂地のポイントの、昼間でも暗いリーフ際のオーバーハング下で出会ったもので、小さいながらもわかりやすい模様をしているから、図鑑やネット上で調べればたちどころに正体が判明する…
…かと思いきや、これがなかなかムツカシイ。
おそらくあれかこれかそれか…と私が思っている種類のうち、↓顔周辺の感じと…
歩脚の前節の矢印の部分の模様の位置から…
…まだ和名がつけられていない Pagurixus dissimilis の若い個体を最有力候補にしている。
その後似たような場所で出会った↓これも、同じような特徴を持っているからおそらく同じ種類と思われる。
ただ、図鑑やネット上で目にするこの種類の画像では、体の模様がもっと茶色っぽいのだけれど、それらに比べると冒頭の写真も↑これも、模様はいささか赤っぽい。
この違いは環境差、個体差、成長段階の差などなどによるもの、と無理矢理自分を納得させ、とりあえず P. dissimilis ってことで…
…ダメですかね?
暗い場所にいてくれるから石をめくる必要も無く会えるので、今後も再会のチャンスはあるだろう。
でもかなり小さいので、再会していることに気づけなくなっているかもしれないけれど…。