体長 15mm
何度も目にしているし、そこにいるということはわかっているのに、まったく記録に残せていないというエビカニがまだまだ何種類もいる。
フジノサンゴヤドリエビも、そんなエビの1つだった。
水納島ではイシサンゴ類についているのを見たことはあるけれど、ソフトコーラルについているというイメージのほうが強い。
ただ、宿主となるソフトコーラルは多くてもこのエビとはたまにしか出会えず、しかも15mmほどと小さいうえにほとんど透明で、おまけに警戒心が強くて素早くソフトコーラルの表面で逃げ隠れするから、観づらいこと甚だしい。
冒頭の写真は、抱えている卵がかろうじてブルーだから発見しやすかったのかもしれない。
このように大きく育っているメスは、特徴とされる体表のオレンジ色の模様が薄くなっているけれど、イシサンゴ類にいるものではオレンジの破線模様がハッキリしている。
ま、いずれにせよ地味ではある…。
観づらい撮りづらい撮ってもパッとしない……という脇役確定三拍子が揃っているフジノサンゴヤドリエビ。
その存在を知ってから撮影を10年以上も先送りにしていたことには、ちゃんと(?)理由があるのだった。