甲幅 40mm
イワオウギガニは潮間帯に暮らすカニで、潮が引いたあとにできるタイドプールの際など、水気のあるところにいることが多い。
でも夜中など体の水分を奪われにくい時間帯には、水から離れて岩場をウロウロしていることもある。
冒頭の写真は夜中に裏浜の砂浜上を歩いていたもので、日中にこんなところで彼らを見る機会はまずないといっていい。
でもうまい具合いに日陰になるからか、日中でも琉球石灰岩の窪みにヒョコッと張り付いていることはある。
干潮時にタイドプールができるような海岸を歩けばチョコチョコ出会えるカニさんながら、ダイビング中に出会えるものではないのでダイバーにはあまり縁がないし、体つきも色味も地味だからだろう、その知名度はとっても低いと思われる。
けれどひとたびイワオウギガニの目を見れば、かなり印象に残ること間違いなし。
イワオウギガニの目はどういうわけだか真っ赤で、なんだか子どものころ雪が降り積もった日に作った雪ウサギの目のようだ(冒頭の写真)。
その赤い瞳をじっくり観たいからとヘタに掴もうとすると、えらい目に遭うかもしれないから要注意。
丸っこくて動きはスローモーでも、その太く逞しげなハサミ脚はけっして見掛け倒しではなく、見かけのとおり強靭な力を持っているのだ。
挟まれればかなり痛い思いをすること必至。
赤い瞳は、無闇に手を出させないようにするための警告色なのかもしれない?
ちなみに、イワオウギガニの仲間には何種類かおり、同じように潮が引いた後の水辺で姿を見かける。
↑これはおそらくヒメイワオウギガニ。
イワオウギガニのようにズングリムックリではあるけれど、眼はまったく赤くない。
ということは、挟まれても痛くないのかな?
※けっしてご自身の指で実験しないでね。