甲長 10mm
サンゴヤドカリと名の付くヤドカリたちは、サンゴがたくさん群生するようなところ、すなわち浅いところで多く観られる。
ヤドカリの中には暗がりや夜間を好むものも多いけれど、サンゴヤドカリたちは昼間から明るいところでテケテケと元気に活動している。
浅く明るいところにいて、なおかつカザリサンゴヤドカリは個体数も多い。
そういう意味では誰の目にもつきやすいヤドカリではある。でも浅く明るい環境のためだろうか、彼らが背負っている貝殻は、かなりの確率で美しくない。
彼らの体や手脚が名前のとおりやけにカラフルなのは、そのあたりのバランスをとっているのだろうか?
カラフルといえば、彼らの第1触角もなかなか特徴的で、なにげにハナヒゲウツボカラーだったりする。
第1触角がハナヒゲカラーになっているヤドカリさんは他にもわりといるんだけど、それに気がつくのは撮った写真を後刻見てからのことで、クラシカルアイでは到底肉眼で確認できないのはいうまでもない。
触角までオシャレにキメていても、やっぱり背負っている貝殻はヘナチョコで、新たに物色しているっぽい貝殻も大した違いはないし…
貝殻目当てっぽく見える諍いをしている両者とも、似たように古びた貝殻なのだった。
でもこれで実際に貝殻まで美しかったら、目立ってしまって大変なことになるのかもしれない?