エビカニ倶楽部

コフトユビシャコ属の1種

Gonodactylellus annularis

体長 15mm

 特に具体的な目当てがあるわけでもなく、砂底をグリッド状に這いずり回り、なにかいはせぬか…とサーチすることが多い私。

 不毛に終わることももちろんあるけれど、その甲斐あっての出会いも多々ある。

 根がポンポンと点在せず、茫漠たる砂礫底&砂底が広がるところだから、砂底グリッドサーチでもしていないかぎりまず出会えない…というポイントで出会ったのが、冒頭の写真のシャコだ。

 周囲の細かい砂粒に比して、おそらく体長15mmほどの激チビである。

 成長すれば、少なくともこの倍以上にはなる種類のチビ個体なのだろうか。

 その様子やフォルムから、フトユビシャコの仲間ではなかろうか…とは思うものの、ただでさえやたらとたくさんいるのに我々シロウトには区別がつけづらいフトユビシャコの仲間の、そのまたチビ個体の正体なんて、そう簡単にわかるはずもなし。

 フトユビシャコの仲間はわりとウロウロしていることが多いのだけど、ダイバーの気配を察知するとたちまちピュッと逃げてしまうことが多い。

 ところがこのチビは、まだ幼く警戒心がゆるいからなのか逃げる気配を見せず、砂底上をのんびりシュルシュル移動していた。

 はたしてその正体やいかに。

 ネット上で調べてみたところ、そのサイズと体の白帯模様からして、コフトユビシャコ属のGonodactylellus annularisが、最もビンゴ!に近い画像だった。

 まだ和名は無いようながら、日本で知られているコフトユビシャコ属6種のうちの1種のようだ。

 コフトユビシャコ属のシャコたちは、「コ」とつくだけにシャコ類(口脚目)のなかでも相当小型のグループだそうで、オトナになっても2cmに満たないものがザラにいるらしい。

 つまりこのチビチビシャコは、これがマックスサイズかもしれない。

 砂底を這いまわり、変態的にサーチでもしないかぎりまず出会えないシャコであることは間違いない…。

 そのサイズゆえ肉眼では確認しづらいそのお顔、写真で見るとこんな感じです。