(Raoulserenea oxyrhyncha? )
体長 5cm
リーフエッジ付近でサンゴガニ類でもいないかな…とヘラジカハナヤサイサンゴの枝間を覗いてみたら、フタホシゴンベと遭遇した。
フタホシゴンベはサンゴ礁域の浅いところにフツーにいるらしいのだけど、なにしろ警戒心が強く、こちらが気づく前に奥の奥に逃げてしまうため、そうそう会える魚ではない。
なのですぐさまカメラを向けてみたところ、フタホシゴンベの奥でなにやら黒いものがチョロチョロしている。
はて、なんだろう?
それは小ぶりなシャコだった。
フタホシゴンベにしろシャコにしろ、枝間を覗くとすぐさま逃げてしまいそうなものなのに、どういうわけかこの時はどちらもサービス精神が旺盛で、とりあえず警戒はしつつも、レンズの前から逃げ去らない。
そのままファインダー越しに観ていると…
背中の両サイドに、丸い斑紋が見えた。
この特徴があれば、私ごときシロウトでもすぐさま種類の見当がつけられるはず!
また、フタホシゴンベを撮っていた際にたまたま写っていた尾の先が…
…なんだか針のように細くスルドイ。
丸い斑紋に尾の鋭いトゲ、こういう特徴を有するシャコの仲間とはいったい誰?
特徴をもとに画像検索しつつ、似たような感じのシャコの画像が出てくるたびにその属名を手掛かりに検索し続けていると、ついにほぼほぼビンゴ!な画像が出てきた。
それはホソユビシャコの仲間だった。
クビナガアケウスがいればクビナシアケウスがいるように、フトユビシャコがいれば、ホソユビシャコだっているのだ。
ただしそのほぼほぼビンゴ!な画像それぞれに記載されている学名が、サイトごとに微妙に異なっている。
というのも、同じように甲羅の両サイドに丸い紋という特徴を持つホソユビシャコ科のシャコには、少なくとも3とおりの名前があるのだ。
すなわち、
の3つ。
このうち1番には「オガサワラホソユビシャコ」なる和名がついているものの、2番と3番はどちらもまだ分類学的に不明確なために、「日本にいる」ということがまだアカデミズム分野ではハッキリ言えない状態なのだそうな(ウィキペディア情報です)。
でも不明確ではあってもこのうち最も特徴を表している(※個人の感想です)和名は、2番の「マルモンホソユビシャコ」。
日本にいるかどうかすらハッキリ結論づけられていないものの、ともかく2番ということにしてしまおう…
…というわけで、かぎりなく適当に、マルモンホソユビシャコは水納島にもいることになったのでした。
※間違っても同定の参考にはなさらないよう、くれぐれもお気をつけください。