甲幅 5mm
シオマネキたちと同じく干潟の住人であるミナミチゴガニは、岸にほど近い、岩がゴロゴロしているあたりで観られる。
シオマネキのオスのような左右のハサミ脚に極端な大小の差は無く、オトナのサイズも甲羅の幅が1cm未満と随分小さいカニさんだから、ジッとしていればさほど目につかないかもしれない。
後ろから見ても、いたって地味な色味だ。
ところがミナミチゴガニ(のオス)は、とっても目立つ動きをする。
両のハサミ脚を下からゆっくりと後ろから上に持っていき、これ以上伸びない状況になったところで…
一気に前へ振り下ろす、という動作(腕の回転方向は水泳のバタフライのイメージ)を、リズム感もよろしく何度か繰り返すのだ。
周りにいるものとシンクロすることもある(手振れはご容赦ください)。
おそらくメスに対するオスのディスプレイなのだろうけれど、8本の歩脚で目一杯踏ん張って、プリンとした鋏脚を一心不乱に振り下ろす様は見ていてかわいらしい。
その動きのおかげで、ナリは小さくともわりと目立つミナミチゴガニ。
小さなカニのダイナミックなメカニカルバタフライモーションをご覧になるなら、干潮時の干潟へGO!
※真夏の炎天下での干潟の観察は、くれぐれも熱中症にご注意ください。