(Microprosthema takedai)
体長 10mm
スベスベオトヒメエビやその仲間たちに比べると発見率が低い……
…というのは、当店でセルフダイビングをしながら、エビカニ変態サーチに夢中になっておられるゲストのみなさんの様子から推測しているだけ。
冒頭の写真は、ゲストを案内中のだんながフリータイムになってから見つけたもので、私はがカメラを携えて遊びでもぐっていたから撮影を託されたものだ。
近年はメクリスト自戒令を発しているために自力で発見したことはないだけれど、これ以外にも何度か見たことがあるものは、いずれも同じように白っぽい個体だった。
なので、白い底砂環境に合わせた色をしているサンゴヒメエビ…とばかり思っていたところ、現時点のエビ最強図鑑である「サンゴ礁のエビハンドブック」によると、この白っぽいものはサンゴヒメエビとは別の種類だという。
まだ和名はつけられていないようながら、 Microprosthema takedai という学名はある。
日本におけるこの分野の先駆的第1人者である、武田正倫氏への献名なのだろう。
でもこの学名を記載した論文は2012年に発表されているのに、2022年を迎えた今になってもまだ和名がないのはなぜなんだろう?
ところで、このエビに限らず、触角も各脚も長いエビたちの場合、その長い触角まで切れることなく画面に納めようとすると、写真の中では本体が小さくなってしまうため、小さな写真で見るとフォルムもへったくれもなくなってしまうのが玉にキズ。
そこで、触角も長い脚も無視してフォルム重視にしてみると…
その戦闘マシーンのようなメカニカルな姿がよくわかる。
ちなみに、オトヒメエビ科やドウケツエビ科のエビたちの最も大きなハサミ脚は、前から3番目のハサミ脚になる。
子供の頃にザリガニと慣れ親しんだ私は、一番大きなハサミ脚が前から数えて最初の脚じゃないというジジツを初めて知った時にはかなり違和感を感じたものだったけど、みなさんはいかがでしょう?