体長 15mm
大学に入ってすぐ、ひょんなことからダイビングクラブに勧誘された。
勧誘されたというか、強引に引きずりこまれたというか、拉致されたというか……。
当時の私は他のサークルに惹かれていたので、断る口実として、
「ダイビングって危険なスポーツですよね、崖から飛び降りたりして……」
と言ってしまった。
ダイビングというのは、アカプルコのような崖から海に飛び込むスポーツであると勘違いしていたのである……。
ま、当時いかにダイビングというものがまだ一般的ではなかったかということなのだが(少なくとも私の中では)、当然ながらそれを聞いた先輩たちは大爆笑し、ダイビングとはいかなるものかについて詳しく説明してくれた。
だからというわけでもないのだけれど、気がついたら結局ダイビングクラブに入部していた。
そして後日、私の勘違いが部内でかなり話題になっていたことを知った。そういえば入部届を出すときに、部長さんが「この子かあ」って言っていたような…。
なんにでも勘違いや思い込みというものはあるものだろうとは思うけれど、どうやら私は人一倍その傾向が強いらしい。
人と話をしていても思い込みや勘違いのオンパレードらしく、後でだんなに指摘されることもしばしば。
だから皆さん、私と話をしていてかみ合わなかったら、辛抱強く噛み砕いて繰り返し話してやってくださいね。
冒頭の写真のエビについても実は勘違いしていた。
図鑑「海の甲殻類」で述べられている説明を何度も見ていたはずなのに、その名前から、オトヒメエビと同じく岩穴や岩陰にいるもんだと思い込んでいたのだ。
ところがある日、ガレ場の石をはぐっていただんなが見つけたというではないか。
石の下にいるのか、コイツは!!
まさに目からウロコが落ちた。
が、私の場合は目に幾重にもウロコが重なっているために、ウロコが1枚落ちただけでは足りなかったらしい。
まだ自分に対してメクリスト自戒令を発令していなかった頃だから、自力で発見したくていくつも石をはぐったみたけれど望みは果たせず、だんなが再び発見してくれたのでようやく写真にすることができた。
これはきっと、水納島では個体数があまり多くないからに違いない…
…と自分に言い聞かせていたところ、その後当店ゲストにもメクリストが増え、彼らに伺ってみたところによると
「スベスベオトヒメエビはわりといますよ」
ウロコはまだ目に10枚くらい残っていたようだ……。