甲長 20mm(写真は5mmほど)
撮っている時には全然気づいていなかった、ということはクラシカルアイになるとよくあることとはいえ、このヤドカリとのファーストコンタクト時にはまだ細かいモノもちゃんと見えていたはずなのに、やっぱり気づいてはいなかった。
後刻写真をPCモニターで見てビックリ、このヤドカリさん…
眼が変なんです。
前から見ると、ちょうど黒目(?)のところにラインがかかるからそうでもないものが…
…ちょい上から見ると↓このとおり。
まるでマガキガイの仲間の眼のような、宇宙生物的マナコだ。
そんなヘンテコマナコのヤドカリさん、その眼からイトヒキヤドカリ属の誰かということはわかる。ではその正体は?
眼柄にある赤いラインや第1触角が紫色をしていること、そして爪先(指節)も美しい紫であることから…
どうやらテブクロイトヒキヤドカリだと思われる。
ただ、黒潮の恩恵を受けている本土の海では浅いところでフツーに観られるらしいのだけれど、分布域の紹介で沖縄なり琉球列島の文字が見当たらないし、沖縄の海で撮影されているらしき本種の画像も見つからない。
ひょっとして…違う種類?
伊豆や四国あたりで撮影されているテブクロイトヒキヤドカリの画像を見ると、体色は各パートとももっと濃くメリハリがあるのに対し、これまで水納島で私が出会ったことがある3個体は、それらに比べると随分淡い色味になっている。
これはまだ若齢だからだろうか?
なにしろ長さ4cm弱の貝殻に比してこのサイズだものなぁ…。
ところで、テブクロイトヒキヤドカリのいったい何がどう「手袋」なのかというと、おそらくハサミ脚だけ色味が異なるため、手袋を着けているように見えるからと思われる。
あいにくそこに留意して撮っていたわけではないこともあって、ハサミ脚を待機ポジション(?)に納めたポーズをしている写真しかなく、手袋感がまったくわからない。
ハサミ脚を見せてくれている子の写真があったものの…
体チラ見ということもあってか、イマイチ手袋感がない…。
若齢個体だからだろうか?
四国や伊豆方面ではフツーに観られるようながら、沖縄の海ではおそらくレアかもしれないテブクロイトヒキヤドカリ、はたして私に再会のチャンスはあるだろうか。
再会できた暁には、手袋感に留意して撮らせてもらうことにしよう。