甲長 10mm
〇〇ヨコバサミと名のつくヨコバサミの仲間のうち、ヨコバサミ属に含まれるものたちは、黒っぽい体をしたよく似ている種類がけっこういる。
それらはいずれも潮間帯やタイドプールといった、ボートダイビングではまず出会えない場所を好んで暮らしているため、「ダイビング中の遭遇」に限定すると、私の場合はビーチエントリーでリーフ内を潜る時に出会うのがせいぜいだ。
ツマキヨコバサミは桟橋脇、それも桟橋のコンクリートブロックについていることが多い。
同じ場所で同じように潜っているのに、ひとっところにワサッとたくさんいることもあれば、全然出会えないこともある。
時間帯によるのか、その日のお天気によるのか。
その昔のリニューアル前のエビカニ倶楽部で紹介していたマダラヨコバサミの記事を読み直してみたところ、潮間帯にしか住まないヨコバサミたちは厳しい環境を生き抜くために、潮が干いている間、集団となって乾燥から身を守るらしい…と書いていた。
自分がそのように書いていたことさえ忘れていたくらいだから、そのネタ元がなんだったかということなどサッパリ覚えていない。
なのでホントかどうかたしかめようがないものの、仮に桟橋のブロックの段差のところで干潮時に集団になっていたとすると、そこへ潮が満ちてきたら、ワラワラワラ…と岸壁に多数がウロチョロし始める、ということもありそうだ。
というわけで、ツマキヨコバサミを見るなら、干潮が過ぎて満ち始めてきた頃の桟橋脇を要チェック。
ただし彼らは、ダイバーのような大きな影が見えた途端たちまち脚を引っ込め、そのままコロコロコロ…と下に落ちてしまうため、普段の様子をなかなか撮ることができない。
なんとか撮れたとしても垂直にそそり立つ岸壁面だから、せっかく仲良く2匹でいても…
…どうしても上から眺めるアングルになってしまう。
でもそうやっていつも上から眺めるポジションだから、ヤラセをしているわけでもないのに背中の色も確認可能だ。
ツマキヨコバサミ、こうして観ると、なかなかどうしてそれなりにカラフルじゃないか。
もっと砂底にもフツーに居てくれれば、さらにお近づきになれるのだけどなぁ。