甲長 10mm
個人的レア度でいうならベニサンゴヤドカリと同じくらい、いやそれ以上に珍しいサンゴヤドカリの仲間チャイロサンゴヤドカリ。
ところがどういうわけか、ファーストコンタクトだった冒頭の写真を撮った時(2012年8月)も、セカンドコンタクトとなった2年後(2014年7月)も…
…こうして写真は残っていても、どちらも私のログブックには毛ほども登場していない。
写真をよく観ればわりと美しいヤドカリながら、ベニサンゴヤドカリと比べると見た目の派手さではインパクトが低いから、特筆することなく終わってしまったのだろうか。
オボロゲながらも残っている記憶では、どちらも水深20mくらいの岩礁域で、オレンジ色がそれなりに目立っていたから存在に気がついた。
他のサンゴヤドカリの仲間にしては随分深いところだけど、この種類は本来もっと深いところにもいるようだ。
そのうえ岩の裂け目などの暗がりを好むのだそうで、そうなると暮らしぶりは全然「サンゴ」ヤドカリではないような…。
海中でもオレンジ色が目立ったチャイロサンゴヤドカリの手脚の模様はこんな感じ。
オレンジ色なのは歩脚だけで、ハサミ脚は小豆メインの3色アイスバーのようになっていて、付け根の近くに白点が入っている。
歩脚がわりときれいめのオレンジ色なのは若い頃だけのようで、年を経て成長すると茶色になるらしい。
その歩脚の模様はなにげに繊細で、脛(前節)から先は点々というより網目模様といったほうが近く…
太もも(長節)あたりは横から見るとライン状になっている。
こうしてあらためて観てみるとチャイロサンゴヤドカリは随分綺麗系なのに、なんで当時は撮っただけで終わっちゃったんだろ?
あ…真夏のハイシーズンだからか。
セルフのゲストだけだったからかろうじてカメラを携えて潜れた日だったとはいえ、撮った写真についてあーだこーだ言っているヒマはなかったのだなぁ…。