甲幅 5mm
刺胞動物系に住まうカニダマシの仲間は美麗なものが多い。
ただしアカホシカニダマシサイズのものは少なく、狭い枝間に暮らすものはたいてい微小だから、サーチするだけでも骨が折れる。
このヨツバネジレカニダマシは、ニクイロクダヤギ系のソフトコーラル(アカバナクダヤギ?)の枝間に潜んでいた。
どこが四葉で、どこがねじれているのかは定かではないものの、付着生物が少ない水納島の砂地では、おいそれと見られるカニダマシではないことだけはたしかだ。
これを撮った当時(2013年)はすでにこのカニダマシの存在を知っていたようなのだけど(そのあたりの記憶はない…)、もしカニダマシであることを知らなかったら、それこそホントに騙されてカニかと思ったかもしれない。
後ろに長く伸びる触角を見ればすぐカニダマシだということがわかりはしても、肉眼でそんなものが見えるはずもなし。
でもれっきとしたカニダマシである証拠に、食事をするときには…
顎脚を大きく広げていた。
この仕草は、どこからみてもカニダマシ。
ゲストをご案内中に発見し、後日撮影に訪れてもまだいてくれたヨツバネジレカニダマシ君ながら、チャンスはその1度きり。
彼が住処にしていたアカバナクダヤギ(?)は、以後無人の日々が続いている。