予報によれば数日は大丈夫そうだったので、昨日ヤン坊マー坊が終了したあと、船を島に持って帰ってきていた。
というわけで、今朝は久しぶりに海へ!
さあエントリー!というときになって、衝撃的なジジツが判明した。
いつものようにうちの奥さんは、籠の中から自分のコンデジハウジングを取り出そうとしたところ…。
中身がな〜い!?
長らく海に行かない日々が続いたので、ハウジングの中身、つまりカメラを抜いて別の箱にしまってあったのに、それを忘れていたのだ。
てゆーか、海に行こうってったら、普通それくらいのチェックはするでしょう??
まったくもう彼女ときたら、最近はすっかり「水中写真」というモノへの熱が覚めてしまっているのだ。
とんぼ玉で忙しいことだし別にそれはそれでいいんだけど、そのくせシーズン中は、遊びで潜る権利だけは確保しようとするのだから始末におえない。
カメラが入っていないハウジングを笑いつつ、僕もドボンとエントリー。
荒れたあとだというのに、意外に水はきれいだ。
水温は相変わらず低いままながら、今日は南風で気温が高いから、しばらくは体温に貯金がある。
このところ潜るたびに毎回立ち寄っている根に行くと、ホンソメヤングに身を委ねているキンギョハナダイのオスがいた。
そーっと近づいてピントを合わせ………
あれ?
フォーカスノブが回らなくなった??
なんで?セッティングするときちゃんと確認したのに。
これが潜水後半だったら、もうあきらめてダイビングを終了するところだけれど、まだ潜り始めて数分。
しかも、渡久地港に置いてある船をわざわざもって帰ってきたのに。
どうやら今日のうちに元に戻さなければならなそうなお天気の按配だから、今回はこの1本だけなのに…。
うちの奥さんのことを笑ってる場合じゃなかった………。
悔しいので、一度船に戻って確認することにした。
水面に浮かぶ船を目指して泳いでいると、下のほうからうちの奥さんが手招きしていた。
ミニ一本サンゴ、別名ハートサンゴのところだ。
あそこに何かいるとしたら………あれかな?
でも今はそれどころじゃないので無視して浮上。
原因は、レンズにつけてあるフォーカスギアが斜めになっていたことにあった。
セッティングの確認の際にちょこっと動かした分には問題なかったけど、グルグルグル…とまわすと斜めになっているものがより一層斜めになって、しまいには動かなくなってしまっていたのだ。
仕切り直して再び海中へ。
先ほどうちの奥さんが何かを見つけていたらしいミニ一本サンゴに寄ってみた。
すると、案の定♪
オオモンレッド・ミドルだ。
以前まったく違う場所にいたのがいなくなっていたので、どこに行ったのかと思っていたらここにいた。
水温が高い間はフタスジリュウキュウスズメダイがけっこう群れていたのだけれど、彼らがすっかり影を潜めてしまったのは水温のせいか、はたまたコイツが食っちゃったせいか…。
赤レンジャーだしサンゴはわりときれいだから、絵的にはフィッシュアイが欲しいところだ。ま、こればっかりはしょうがない。
イザリウオは、たしかに出会えるとうれしいんだけど、意地でもジーッとして動かない子の場合は、写真を撮っていてもあまり楽しくはない。
せめてアクビの一つでもしてくれないかなぁと、このままずっと待つことにした。
待つこと15分。
微動だにせず。
そりゃ呼吸のためにハプハプしてはいるものの、それだとせいぜい上の写真のような半開きの口しか撮れない。
けっして浅くはない場所なので、これ以上粘るのはあきらめ浅いほうへ戻ろうとすると、近くにうちの奥さんがいた。
僕を呼んでいる。
そして…
ゲット。
実は先ほど僕が赤レンジャーと対峙していたとき、近づいてきた彼女は砂地に文字を書いた。
「タコ」
手ぶらなんだから自分で獲れよ、!!
と伝えてあった。
………多分伝わったと思う。
でも小さい彼女の場合、普通サイズのタコを手で掴んでしまうと、伸びてくる触手が容易に自分のマスクやセカンドステージまで届く。
そのタコの逆襲が怖いらしい。
で、僕が撮り終わるのをずっと待っていたのだ。
いそいそと僕をタコ現場まで案内する彼女。
カメラを渡し、しばし奮闘、無事ゲットという次第。
撮ってから獲ったことは過去にあったけど、獲ってから撮ったのは初めてかも……。
そしてもちろん夕食時には、生タコのカルパッチョwithマサエ農園野菜♪
結局この日一本潜っただけで、再び船を渡久地港にもっていった。
連絡船の船賃、そして往復の燃料代を使って、たった一本のダイビング………。
まったく、俺たちゃどこに住んでるんだ?
ということを考えると非常にバカらしいものの、タコ1匹と赤レンジャーでまぁいい………わけない!!
なんと高価なタコ!! |