昨日とはうって変わって、ポカポカ陽気で春うらら。
おかげで蚊は飛び交うし、シーベーが出始めるし、タイワンキドクガの幼虫…つまり毛虫も蠢き始めた。
蠢く虫たちと同じく、我々も陽気に誘われて海へ。
エントリー早々に、サバヒー10匹の群れと、それに弾かれたグルクンたちの奔流に歓迎を受けた。
水は冷たいけど、晴れているとやはり心地いい。
わりと水は良い。
良いけど冷たい。
冷たいのだから、せめて眺める魚くらいは派手派手なトロピカル光線……にしたかったのに、ついついジミー君たちに目が行ってしまった。
一部を除き、存在そのものが地味といっていいのがテンジクダイの仲間たち。しかし地味とはいえ彼女たちはなにげにオシャレで、アイシャドーが海中で妖しく光る。
地味な魚は、派手なものと一緒に撮ってあげるとわりと引き立つ
これはスミツキアトヒキテンジクダイ。
彼女たちを目にする機会は多くはない。なのに、なぜかこの写真を撮った場所にだけ、穴倉の中で群れ集まっている。
図鑑によるとこの仲間は「礁池に生息」とある。でも水納島の場合、リーフの中で観たことはない………… 気がする。
で、こちらは同じアイシャドー仲間のアオスジテンジクダイ。
スミツキ…よりは目にする機会は多いものの、より一層深い場所にいる傾向があるし、群れ集まるというほどではないから、知らず知らずのうちに見過ごしておられる方も多かろう。
日中はたいてい岩陰にいるものとばかり思っていたら、どういうわけかここにいるアオスジ君たちは、バラバラと表に出ていることが多い。
これらジミー君たちを撮っていると、うちの奥さんがなにやらモノ言いたげに近寄ってきた。
何かがいたらしい。
20mほど離れたところまで案内してもらって撮ったのがこれ。
ご存知タツウミヤッコ。
少ないときでも年に1、2度は必ず観ている。でもこんなに小さいのは滅多に観られない。
あ、後の肌色は例によってワタクシの人差し指ね。
で、その後再びジミー君を撮っていると、またしてもヘンテコな顔をしてうちの奥さんが近づいてきた。
また何かいたらしい。
で、さらにまた案内してもらって撮ったのがこれ。
タツノハトコ?イトコ?
図鑑によると、背びれの部分に肉質部があるとイトコで、ないとハトコってことらしい。アルトイトコ・ナイトハトコと覚えよう。
その見分け方からすると、この写真の子はどうやらタツノイトコになる(でしょ?)。
となると、お魚コーナーで紹介しているタツノハトコは、実はタツノイトコではなかろうか………。
ま、いいか。<いいのか?
これも、観たいと言われてすぐさまご覧いただける魚ではないものの、ちょくちょく目にするので個人的には珍しいとは思っていない。
でも、こんな小さな子に会えるとやはりウレシイ。
撮るのを忘れちゃった対人比の代わりに、彼が巻きついているゴカイの管と比べてみてね。
小さいでしょ。
タツノイトコにしろタツウミヤッコにしろ、わざわざ呼んでまでして見せてくれるのはうれしいものの、うちの奥さんはなんで自分のカメラで撮らないのかが不思議だ。
というか、これらをキチンと撮っていてくれれば、僕は僕で撮りたいものをそのまま撮っていられるんだけどなぁ……。 |