「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 8月22日(日) 晴れ時々雨

東の風 おだやかのちやや波あり 水温29度

 最終便で届く各種燃料を受け取りに桟橋まで行くと、桟橋に横付けしてあるミスクロワッサンの周辺に、ミズンが群れをなしていた。

 船影よりもはるかに大きな魚群……。

 昨年は結局一度も桟橋周辺に大きな群れを作ってくれなかったミズンだったけど、今年は夏の初め頃からチラホラ見えていて、それが最近群れになってきていた。

 しかしまだその密度は低く、見た目は美しい群れでも写真にするとなかなか「群れ」にならない。

 それがこの日ついに、濃密な魚群に。

 きっと、各種捕食者たちがミズンの存在をかぎつけて、あちこちから来襲するようになったため、ミズンたちも密集体形を作らなければならなくなったのだろう。

 それが水納丸側だったら、上から眺めて「ほぉ……」と呟くだけで済ませたかもしれない。
 が、自分の船の真下である。
 毎年いつも同じように見られるわけじゃないということがわかっている以上、これを見逃す手はない。

 ……と決心するまで随分逡巡したのはいうまでもない。なにしろ夕刻なので。
 幸いにしてお盆商戦がようやく終わり、おだやかな夕刻を過ごせる日だったこともあって、僕としては珍しく、シャワーを浴びてすっきりした後だったにもかかわらず、再び器材を準備してこの時刻にビーチにエントリー!!

 船の直下で、こんな感じで群れていた。

 水面には夕日がきらめき、揺らめく金色の陽光を受けて穏やかに群れているミズンの群れ。
 こりゃあ、木戸銭を払う価値がある。

 ときおりダツや小さなアジの襲撃を受けると、彼らは瞬時に同一方向へ動くのだけど、その際に「ビュンッ」という群れが動く音がする。
 けっこうハッキリ聴こえるので、群れが動く音だと知らなければビックリするかもしれない。

 そうやってナニモノかに襲撃されていっせいに移動するときの群れが、これまた迫力がある。

 そうこうするうちに日は沈み、海中はほのかに残照に包まれる。
 そしてラダーを登ろうとすると、美しい夕焼け空が。

 こんなの観てしまうと………

 夕方ビール飲んでる場合じゃないよなぁ。