「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 9月12日(日) 晴れ

南の風 おだやか 水温28度(ところにより25度!

 先日、中古レンズを購入した。
 ニコンの105ミリマクロ。
 91年に購入以来、ずっと使い続けていた同レンズの2代目だ。

 当時でさえ定価9万円弱という高価な商品だったのに、中古だと今や3万円代。後継機種が出ていることもあって、美品の中古なのに随分と安い。

 で、さっそくお試し。
 この夏はずーっとワイドレンズばかりだったから、実に一ヶ月半ぶりにマクロな目になった。

 そして最初に撮ったのは……

 またしてもいきなりキモチワルイ写真ですまぬ。
 エントリー早々に、砂に顔をこすり付けているコイツがいたのだ。やっぱり相当痒いんだろうなぁ…。
 こうやってマクロレンズ越しに眺めてみると、寄生虫の目までクッキリ見えてやたらと不気味だ。
 世の中にはやはり、見ないで過ごしたほうがいい場合もあるってことか。

 さてさて、久しぶりにマクロの目になってみると、初夏の頃に撮っていた子供たちが成長している姿にも出会えた。

 これはモンスズメダイ・ビューティホーバージョン。
 そしてこちらは

 バラフエダイの子供。
 どちらも
この時撮った個体であることは98パーセント間違いない。
 というと、普段から数字にはシビアに接している方々から、「98パーセントなんて、どういう根拠で出された数字なのか」と激しく詰め寄られそうだからあえて言おう、

 そんなのテキトーに決まってんじゃん!!

 とにかく同じ場所にその時1匹だけ居た子なんだし、その後もその存在は見続けていたのだからほぼ間違いはないのだ。
 それはともかく当時と比べたら、随分大きくなっている。バラフエダイはもはや、スズメダイのフリをしている必要はなくなっているようだ。

 そしてリーフの浅いところでは。
 初夏の頃からチラホラと随所で見られ始めていたテングカワハギたちが、今ではそこかしこでペアになっている。

 何度も言うけど、テングカワハギなんてのは、浅いところでミドリイシ類のサンゴが健在であれば、珍しくもなんともない魚だ。
 だからそういう環境が当たり前のところでは、ひょっとするとテングカワハギなんていちいちガイドしないかもしれない。

 でもその昔松田聖子も言っていた。失うとき初めて、まぶしかったときを知るのである。
 我々もまた、98年の白化によるサンゴの壊滅とともに姿を消したテングカワハギが、今まぶしく見えて仕方がない。

 今年はかなり順調に増えているので、来年あたりは、サンゴからサンゴへ渡り歩く、テングカワハギの10匹くらいの群れに出会えるようになるかもしれない。