「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2010年 11月4日(木) 晴れ

北の風 やや波あり 水温24〜25度

 先月末から風邪ッぴきで、おまけに台風&季節風でなんだかんだと随分潜らない日々が続いてしまったため、ブランクダイバーとなって久しぶりに潜ってきた。

 一応目的はあった。
 とある根にグルクンの若魚がたくさんいて、そのなかにイッセンタカサゴもたくさん混じっていたのだ。
 イッセンタカサゴの群れなんて、こっちじゃなかなか間近で見られないので、これは是非撮りたいなぁ…と思い続けて早ひと月。
 やっとチャンスが巡ってきた!!

 …と思ったら。
 グルクンの若魚たちはもう、すっかり根から離れてしまっていたのだった…。

 リーフの上に戻ってくると、やたらとサンゴがバキバキになっていた。
 どこぞのバカ船のアンカーで、というにはいくらなんでも範囲が広い。ひょっとして台風の大波のころに、流木か何かがガシガシ転がってサンゴを破壊しまくったのだろうか。

 バキバキになってしまったサンゴは痛々しいものの、何度も言うようにサンゴたちはたくましい。環境さえ整っていれば、割れてしまってもすぐさま破損箇所が修復されてまた成長を始めるし、割れて落ちたサンゴ片すら、そこに定着してまた新たにその群体を広げ始める。

 台風で岩から剥がれ落ちて転がったテーブルサンゴも、そのままそこに留まっていると、ひっくり返っていれば裏側が表になり始めるし、横向きに倒れていたら、このように新たにテーブルを作り始める。


横倒しになったテーブルから、新たにテーブルができ始めているところ。

 ずっと観察していたサンゴが割れてしまったらカナシイものの(それがスノーケリングボートのアンカーのせいだったりしたら、本気で撃沈してやりたくなるけれど)、何度も言うけど…

 サンゴはたくましいのである。

 このところちょくちょくご案内するようになったミニ一本サンゴは、元祖一本サンゴがオニヒトデにやられてしまって以降、次代を担うエースとして我々が期待しているサンゴである。
 期待を寄せて注目し始めた3年前は、まだこんな姿だった。


2007年9月撮影

 この年から、「ポスト一本サンゴです!」とときおりご案内していたのだが、まぁ当然ながら、ほとんどの方が「…ふ〜ん。」的な反応しか示さなかった。
 みんな、一本サンゴくらいにまで大きく育つのは随分先と思っていたのだろう。

 でも。

 その翌年。


2008年9月撮影

 そして昨年。


2009年9月撮影
ちょっとハートっぽかった頃。

 で、今年。


2010年9月撮影
7月頃なら、もっともっとスズメダイたちが多かった

 それぞれ撮影している角度が違うので、単純に大小がわからなくてもうしわけないけど、土台になっている岩との相対的なサイズの差にご注目いただきたい。
 たった3年で、ここまで大きく育ってしまうのだ。
 期待をし始めて以来順調に大きくなっているので、このままいけば、往年の一本サンゴのようにたくさんの小魚たちを育んでくれるようになることだろう。