2011年 6月1日(水) うす曇りのち雨
北東のち南東の風 はじめおだやか 水温23度
(15m以浅24度)
台風後初めて潜ってきた。 が。 2本目に行った灯台側のポイントは、まるでダイナマイト漁をした直後のような(そんなところに潜ったことはないけど)、絨毯爆撃にさらされた跡のような(そんなところに行ったことないけど)、とにかく凄まじい破壊の痕。 水深17mほどにある根がかなり崩壊しているのを見ただけでも、その威力がうかがい知れたのに、リーフ際ときたら……。 98年の白化に耐え、その後も数々の猛烈台風に耐えながら、大きくスクスク育っていたヘラジカハナヤサイサンゴがあった。 それらをはじめ、リーフの上のサンゴのことごとくが、「ブルドーザーでサッとやっちゃいましたから」的な惨状に。 これらは波が直接手を下したというよりも、O野さんのための平たい石の数々が波で巻き上げられ、大量にリーフの上を踊らされたためのようだ。 その証拠に、そういった直径30cm以上の平たい石が、普通ならありえないリーフの上に積もっていた。 もちろん海底はザブで漂白したかのように、まばゆいばかりの純白空間。そこに、千切れ飛んだサンゴの枝が散乱している。 いやはや、凄まじい………。 過去に何度も猛烈な台風の後に潜ったことがあるけれど、ここまで海中景観が様変わりしていたことはかつてなかった。 台風2号、局所的には、気象台が計測している風速では計り知れない、モノスゴイパワーを誇っていたらしい……。 そんな海の中で、生き物たちは健気に逞しく生きている。 このあたりのウミウシたちだ。 これ、イソウミウシの仲間でしょうか。 メジャーなところでは、このキマダラウミコチョウ。 これまた3ミリにも満たないほどながら、ウミコチョウ系は形が独特なので、わりと容易に見つけられる。 ところがこの日は、両者とも水深25mほどのところにある根のそばにいた。 キマダラ君の他の子たちは、その藻屑堆積コーナーでこんな感じで寄り添ってさえいた。 本来いないはずの砂地の深い根にいたこれらウミウシたち。 そういう意味では、初めて目にしたこのウミウシ。 ヒメエダウミウシでしょうか。 みんな、本来の住処から吹き飛ばされたに違いない。 また、水納島ではそれほど目にする機会が多くはないちょっと大き目のリュウグウウミウシ類を、1日で2種類も観てしまった。 ミドリリュウグウウミウシ ベニゴマリュウグウウミウシ 前者は過去に2度くらい、後者は過去にたった1度しか観たことがないウミウシだ。 こうして考えると、台風もまんざら捨てたモンじゃないなぁ……… …なんて思いかけたけど、いーや違う。 ※ オマケ 上に登場したキマダラウミコチョウ、眺めていると、翼を広げるような変な動きをしたあとに、砂に潜っていった。 あら、ビックリ! ナニかに襲われている!? ああ、呑み込まれる!? その後たしかに彼の姿は消えた。 いずれにしても、全長3ミリの世界の、壮絶なサバイバルバトルなのだった。 |