「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2011年 9月4日(日) 晴れ

北西の風 ほんの少しうねりあり 水温27度

 昔だったら10年に1度くらいだったものが、近頃は年に何度も、という事態になっている。
 自然災害だ。

 大雨がもたらした紀伊半島の惨状を見ていたら、思わず

 「うちは屋根だけで済んでよかったねぇ……」

 そうつぶやかずにはいられない。
 何度も言っているように、この時代、ただ生き残っているだけで奇跡のようなものなのかもしれない。

 来年はいよいよ2012年。
 マヤ文明が遺した無言のメッセージ、少なくともノストラダムスの戯言よりは、信憑性が高まってきたような気がする……。

 ということとは関係なく。
 以前にも紹介したような気がするこの魚。

 ツバメタナバタウオという。
 岩陰でお腹を上にしてピンピン泳いでいる魚だ。パッと見地味だけど、よく観ると繊細なネイビーブルーが美しい。

 沖縄地方でも、いるところにはけっこういるらしいこの魚、残念ながら水納島では滅多に見られない。
 滅多に…どころか、これまでに2個体しか見たことがなく、その最初の個体が一昨年見つけたこの子だった。

 その頃はまだ随分小さな幼魚で、どうせそのシーズン中にいなくなってしまうんだろうなぁ……とあきらめていたところ、翌年も、そしてその翌年も、つまり今年もまったく同じ場所に健在で、順調に成長を続けていた。


昨年6月に同じ場所で撮影

 でも周りには、同種の魚の影すらない。
 訪れる人とて少ない岩陰で、生涯独身を通すことになるかもしれないツバメちゃんなのだった。