「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2011年 9月27日(火) 晴れ

南東の風 おだやか 水温25〜27度

 この日は実家の母の誕生日で、毎年何を贈るわけでもないものの、せめてお祝いのファックスくらいは…ということで、用紙にケーキの絵を描いて送信している。

 そしてこの日届いた母からのメールには……

 「大間のマグロでよかったのに」

 …と書かれてあったのだった。
 そんないくつもいくつもマグロがあるわけないじゃん。

 …といいつつ。

 ジャンッ!!

 大間産マグロ、赤身、中トロ、大トロの豪華三品盛り合わせ!!

 いやあもう、ありえない。
 昨日アップした写真は食べ始めた後に撮ってしまったんだけど、今回はきちんと襟を正した姿で。

 この日島にご滞在のゲストはかねやまんさんしかおらず、そういう日には彼はわざと中休みをとったりして我々を休ませてくれることがある。
 しかし今日だけは我々が彼を放さなかった。

 だって、3人だけだったらゆっくりたっぷり食べれるもーん♪

 この日は唯一のチャンスだったのだ。
 さらに。
 マグロを柵で買ったらおまけでついてきたというミズダコの刺身もいただいていたので、南北タコ対決!!

 さすがミズダコ、脚の直径がハンパではない。
 で、気になるお味のほうは??

 どっちも美味い♪<対決の意味ないじゃん。

 さらにさらに!!

 掲示板にてウミウシ好きさんに「今年は黒なんですね」と指摘されたことに業を煮やした(?)彼は、再び赤い人に。
 僕なら顔を隠すよりも胸の赤いきつねを隠しますが………。

 しかし注目していただきたいのは彼の赤い格好ではない。
 テーブルの上の木箱。それは……

 かねやま二十年!!!

 え?どうしてどうやって??
 先日いただいたのは、かねやま15年。
 人数がけっこういたので当然のように一晩で空いた。
 ではこの二十年も、実は持ってきていたんですか??

 「一昨日空いちゃって、なんだか飲み足りないなぁと思いませんでした??」

 なんと彼はこの日、わざわざ山川酒造から通販したのである。

 ど、どうやって???

 なんとなんと、電話して水納島にいる旨告げ、渡久地港まで配達してもらえるかどうかを確認したところ、OKという返事が。
 で、すっかり仲良しの船員さんに代金を託し、渡久地港にて支払い、という次第だったそうな。

 というわけで、今宵は二十年を。
 一昨日いただいた、購入してから5年経っている十五年と、今年瓶詰めされたばかりの二十年と、はたしてどちらに軍配が??

 「……………なんか、一昨日のほうが飲みやすかったような気がしません??」

 ……………。

 それはともかく。
 こういうといささかヤラシイ話になるようで恐縮ながら、マグロといいかねやまといい、この二晩で消費された品々の末端小売価格はいったいどういうことになってしまうのだろう??

 心臓に悪いので我々は何も知らないままでいますが、興味のある方、是非ネットでお調べくださいませ。
 するとすぐさまおわかりいただけることでしょう。かねやまんさんが

 デューク@徳島

 であることを(けっして他人を背後に立たせない東郷さんや、ただ一輪の花のために命を懸けるデューク・フリードとは関係ありません)

 それにしても、日中のダイビングでは、かねやまんさんはセルフで潜っておられることもあって、我々は彼に対して特別なサービスなどまったくしていないにもかかわらず、こんなにふるまっていただいてなんだか非常に申し訳ない。

 いや、何もケアしていないどころか、この日はこういうモノを教えてもらった。

 これ、一部のダイバーの間では知らぬ人とていないカニさんで、その名をアシビロサンゴヤドリガニというらしい。
 一部のダイバーって、どんな方々??

 そりゃもちろんエビカニ大好きな変態野郎たちに決まっているじゃないか。
 だってこのカニさんなんて、色合いこそ美しいものの、普段はこういう感じ↓でいるんですぜ。

 自らこさえたと思われる裂け目に、体をスッポリ納めて微動だにしない。
 しかも、そのサイズ、甲羅の幅2ミリほど。

 見えないっちゅうの。
 この子はたまたま底が浅い窪みに納まっているから肉眼でもかろうじて確認可能だったけれど、一般的には外からはけっして見えない裂け目にはまり込んでいる。

 ではそれをどうやって観察・撮影するのかというと、変態ダイバーたちのBCのポッケには必ず入っている細い細いステンレスの針金を駆使して、この小さなカニさんを穿り出すのだそうな。

 まさに変態。

 しかし驚くなかれ、「アシビロサンゴヤドリガニ」という名を検索するだけで、どれほど多くのサイトがヒットすることか。
 いやあもう、ネット社会は変態ダイバーだらけだ!!

 ところで。
 こんな小さなカニさんにすら立派な名前がついているというのに、この方に名前がついたという話をいっこうに聞かない。

 クロワッサンネーム・黄金のシャコ。
 今日久しぶりに見た。

 いつでもどこでも見られるわけじゃないにしろ、初めて見つけてからもうかれこれ17年になろうというのに、いまだかつて写真ともども名前が紹介されているものに出会ったことがない。

 すでに変態社会では当たり前に名前が通っているんでしょうか??
 世界のM下さん、ご教示お願いします♪

 ……いや、けっして世界のM下さんが変態というわけじゃありませんから!!

 ※追記

 その後掲示板にて世界のM下さんが即答してくださった。
 この黄金のシャコ君には、バルタンシャコという通称名が、変態社会の間で流通しているらしい
 (学名はおそらく 
Lysiosquilloides mapiaであろうとのこと)。

 そういえば以前、O野さんからバルタンシャコの名をうかがったことがあるような記憶がオボロゲに………。

 世界のM下さん、ご教示ありがとうございます!(また忘れてしまうかもしれないけど……)