「徒然海月日記」から海の話が含まれている日記のみ抜粋したバックナンバーです

2011年 10月11日(火) 晴れ

南東の風 おだやか 水温25〜26度

 3連休が終わったこの日、空はどこまでも晴れ渡り、南風はあくまでも暖かく、燦々と降りそそぐ日差しは、ここが亜熱帯であることを存分に主張していた。

 あのぉ、ゲストはみなさんお帰りになったんですけど。

 ホントにもぉ、寒さに震えていた連休中はなんだったのだと言いたくなるくらいの汗ばむ陽気。そんな日に限って、夕方から運動会に向けたグランド整備作業だったりするのだから、世の中うまくできている。

 天気が良すぎて悔しかったので、当然のように遊びで潜ってきた。
 ゲストがいらっしゃっても、僕の手が空いていればカメラを持って遊びで潜ることはあっても、純粋に遊びのためだけに船を出すのはいったいいつ以来だろう??

 目的はただひとつ。
 今年の6月に、ふとしたはずみで発見したお魚ちゃんの存在を再確認、いれば激写。
 6月に偶然見つけたあと、真夏にも一度その存在を確認してはいたものの、いずれの機会もゲストを案内中で、ちゃんと撮れるカメラを手にしていなかった。
 滅多に見られない魚であることは間違いないから、是非撮りたい……と思い続けて早4ヶ月。さすがにもういなくなってるかなぁ。

 と半分あきらめていたところ………………
 ……………いた。
 ジャンッ!!

 これ、アライソコケギンポですかね?
 よく似たものにシズミイソギンポってのが図鑑に載ってるけど、その見分け方は「胸鰭基底部の黒点の有無」。
 穴に入ってるから見えないっちゅうの。

 図鑑に載っている生息地的には、アライソコケギンポのような気がする。ただしそれでも、主生息域は内地の海のようで、沖縄周辺は「沖縄島」と本島を特定して書かれてあった。沖縄地方で満遍なく観察されているわけではないらしい。

 それにしてもどうです、このファンキーモンキーベイベーな髪型(?)。小指の先にも満たないサイズとはいえ、思わずカメラを向けずにはいられない。

 ところが、初めてこの子に出会ったときは、案内していたゲスト4名すべてノーカメラ。しかも僕1人心ときめいて盛り上がっているだけで、みなさんチラと見ては

 「ふーん…」

 てな反応のみ。
 これだから「飲み」目的のゲストはつまらん!!<古今東西のありとあらゆる酒や肴をゲストからいただいては、毎度舞い上がっているのはどこのどいつだ?

 図鑑では、写真のキャプションでは水深25mとなっているくせに、水深5m以浅にいると書かれてある。でもこの子がいたのは水深24mほどの場所。それも砂地の根だ。
 いったいぜんたい、なんでこんなところに??

 そこでハタと気がついた。<6月に見つけたときに。

 その直前にあった台風2号のせいで、5m以浅の本来の住処から吹き飛ばされてきたんじゃなかろうか。
 そういえばあの頃は、本来そこにいないはずの小さなウミウシたちがゴロゴロしてたものなぁ……。

 初確認から4ヶ月居続けてくれたファンキーアライソちゃん、はたして来シーズンまでがんばり続けてくれるだろうか???