D逆襲のチャーシュー(3月4日)
翌3月4日。 JR八高線という、線路だけ見れば極めて便利そうな路線も、その本数はかなり限られており、元加治駅から利用するには、すぐ隣にある駅にのるためだけにいったい何度乗り換えねばならないか。 この日実家を後にするわけだから、当然我々は旅行者スタイルの大きな荷物を抱えているわけで、そんな状態でわざわざ八王子に行くなんぞ、できることなら謹んで辞退したいところである。 で、荷物をズルズル引きずっていくことを覚悟していると、なんと父ちゃんが八高線の金子駅まで送ってくれるという。 というわけで、八高線金子駅まで送ってもらい、父ちゃんとはそこでお別れした。いいお天気だったから、一刻も早くグランドで畑仕事をしたかったであろう父ちゃんは、いつになく固い握手をするやいなや、颯爽と帰っていった。 さて、人生初の八高線。 湯野上温泉駅のような茅葺き屋根とはいかないまでも、見事に素朴な「駅舎」って雰囲気。すぐそこが東京という場所にこういう駅がまだまだ残っていたなんて…。 さすがに囲炉裏は無かったけど(笑)。 この駅舎から続くメインストリートには、桜の古木がずらりと並ぶ並木道になっていて、花の季節にはさぞかし素晴らしい景観を作り出すであろうことが容易に想像できた。後刻ウロコムシ氏にうかがったところによると、鉄っちゃんの間では当然のようにビューティスポットとして名を馳せているという。 早めに着いたので、付近をプラプラしつつ時間を潰しているうちに、やがて電車が到着。 その北八王子には、約束どおり「あの方」が車で待ってくれていた。 おまけに、改札はひとつだから、というので安心して改札を出ると、そこから先は二手に分かれているではないか。どっちに行けというのだ。 あったあった、ウロコムシさんの車が停まっている。 「どこ?どこ?」 という顔をしている。 「あれ??白色じゃなかったっけ??」 ひと月ふた月前の話ならまだわかる。 ともかく下に降りて車を覗き込むと、Tバック雑誌を読んでいた彼と目が合った。<一部脚色あり。 出口が2つあるじゃないですか!! 「そうでしたねぇ」 涼しい顔をしていう。 安斉亭があった。 これだ!! で………… でかっ!! なんだこれは!? なんとこれがチャーシュー麺なのだった。 厚さに負けず劣らず、面積に占めるチャーシューのこの割合も凄い!! この分厚くでっかいチャーシューこそが、このお店のウリだったのである。ワンフィンガーを軽く越える分厚さのチャーシューが、ドドンとラーメンを覆い隠しているではないか……。 ところが、これがまた抜群の美味さ!! それでいながらお値段は950円。 ラーメン屋さんといえばチャーシュー麺しか頼まない僕も、こんな凄いのは見たことがなかった。たしかにこれは、見せたくなりますねぇ、ウロコムシさん!! ありがとうございました、ウロコムシさん!!では我々はこのへんで…… ……とはならなかった。 |