24・エピローグ
約12時間飲んだ日の翌朝がどういうものかは、いちいち語らずともご想像がつくことだろう。 それでも、新郎新婦は我々のホテル宿泊に際して(激高の)ビュッフェスタイルの朝食までつけてくださっていたので、せっかくだからヨーグルトでも食べよう…とヨロヨロとエレベーターに乗り込むと…… 隊長ご夫妻と遭遇。 朝もやっぱり幸せそうなお2人である。 このときはあいにくカメラを持ち合わせていなかったので、披露宴翌日のシアワセ満載モードのお2人の姿をお見せできないのが残念。 この日のお2人は、披露宴に出席なさった新婦ご家族を空港まで送り届けるという重要な任務がおありにもかかわらず、その後戻ってきてから午後に時間があるのでお茶でもどうですか、とお誘いくださった。 でも、どうせ銀座で過ごすなら、お2人の時間をもたれたほうがいいに決まっている。 というわけで、今回の銀座滞在のすべてのきっかけを作ってくださったお2人とは、ここでお別れした。 また来シーズン、シアワセオーラに包まれてご登場くださる日を心よりお待ちしております!! その日曜日以降の話は、これまですでに触れたとおり。 いよいよ、泣いても笑っても銀座・築地最後の日である。 築地場外市場にある、鈴木水産だ。 前日に場内卸売り市場で購入したマグロが滅茶苦茶美味かったので、どうせだったらまとめて買って、沖縄に戻ってから余韻を楽しもうと思い立ったのだ。 そういうこともあろうかと思って、オタマサは100均商品ながらけっこう高性能な保冷バッグを持参していた。 で、場内に入るつもりで場外市場を経由していると、行き当たったのがここ。 三宅商店。 見たところ商品のグレードはかなり高そうだし、わざわざ卸売り市場で小ロットを購入せずとも、個人客用のお店で買っちゃおっか。 というわけで、あれもそれもこれもどれも……… 本来だったら保冷剤1個のところ、食べるまで時間がかかる旨告げると、ビニール袋入り特製(?)氷の塊を持ってきてくれた。 で、時間は少しワープして、本島泊になったこの日の晩。 国産生マグロ、マグロの中落ち、寒ブリ、平貝、アオヤギ、コチの刺身、そしてちくちくウニウニ先生は北海道のバフンウニを見逃すはずはなかった。 あのぉ……これまでのどの店での食事よりもゼータクなんですけど? とにかく100均の保冷バッグのおかげで、沖縄に居ながらにして築地の余韻を味わうことができたのだった。 ちなみにここだけの話、ことマグロの刺身に関しては、場内卸売り市場で買ってベンチで食べたあのお刺身のほうが断然美味しかった。 そんな買い物を済ませた後、この日の朝昼兼用ご飯を食べに訪れたのがここ。 先ほども触れた、鈴木水産。 生ウニ定食〜〜〜〜♪ 酢飯、アサリの味噌汁とともに出てくるのは、木箱そのまま丸ごとのウニ! ちくちくウニウニ先生の脳天を直撃するスペシャルメニューである。 こんだけ褒めておいていうのもなんだけど、三宅商店で購入した北海道産バフンウニは、ここでいただいたカリフォルニア産比べれば遥かに美味かった。 ウニの旬でもなんでもないこんな季節にこれほど美味しいウニウニウニ。 一方、うちの奥さんが頼んだのは…… やっぱり海鮮丼。 そしてとんぼ玉作者的視点で見た場合、この手の丼にはやはりテクニックがあるように見えるらしく、ここ鈴木水産の大将の作品も、具を載せる順序や配置には、経験に基づいた計算されたものがあるようだという。 丼を色鮮やかに見せるためには、具をテキトーに盛ればいいというものではないようだ。 こんだけ美味しいものを食べていて、乾杯していないわけはない。 滞在中連日続いていた朝ビール、その最後を飾る食事が、こうして終わった。 隊長ご夫妻が銀座で披露宴を執り行うというお話がなければ、おそらく一生体験することはなかったであろう黄金の日々だった。 しかし一度体験してしまうと、またもう一度……と思ってしまうのが人情というもの。 とはいえぐずぐずしていると、築地市場は豊洲に移転してしまう。 直線距離にして2キロほどの所に移転するというのは、沖縄に居る人間にとってはちょっと隣に行くようなもの。 でも、マサエ農園の野菜たちが毎年スクスク育つようになるまで、すなわち作物を育む土を作るまでには、何年もの歳月を要した。 やまだやさんも、築地TAMATOMIさんも、マスターは地元育ちの方だった。 とはいえ日本人はたくましい。 ただ我々としては、その新たな風土の完成を待っている時間はないかもしれない。 幸い、あのエポック石垣島のえび屋―Mさんから、こういうお話をいただいている。 「(再訪する際は)タイミングが合えば一緒に行きましょう。 業界の人として築地市場にかかわっている方と、共に訪れることができたら!! そして!! 「(知り合いの市場関係者に)ターレーで案内してもらえるよう頼みますから。」 ターレーに乗ってみたい!! これまで旅行記の形で残している場所で、実家周辺と県内を除けば、再訪したのは仙台をおいてほかにはない。 そんな築地探訪を可能にしてくれた銀座滞在もまた、二度と味わえないかもしれない素晴らしい体験だった。 映画やドラマやその他テレビ番組で目にする機会はあっても、そこに滞在するというのは、もはや宇宙旅行をしたというに等しいエポックメイキングな体験だったのだ。 それもクリスマスのイルミネーションに彩られた季節に!! それもこれも、ごっくん隊隊長と隊長オクサマのご縁あってこそ。 人生、何がどう幸いするかわからない。 とにもかくにもこの我々のうれしはずかし人生初銀座滞在&築地界隈徘徊は、彼ら二人のこの笑顔抜きにはありえなかったことだけはたしかである。 最後になりましたが、隊長ご夫妻、このような機会を与えてくださいましたこと、あらためてお礼申し上げます!! いつの日か、海底に眠るあの一升瓶で乾杯しましょう♪ |