16・京都探訪〜東映太秦映画村〜
当初、2月6日には特に予定を立てていなかった。 ところが、天王寺動物園という懐かしい場所に行ってみて、似たような場所をひとつ思い出した。同じく子供の頃に行った懐かしい場所である。 それは京都にあるので、ま、せっかくだから両親を誘い、湯豆腐でも食べて……と考えつつ、まだ付近の散歩にも未練を感じていたりして、決め手を欠いていた。 そんな夜のこと。 はて、こんな遅くに誰だろう?? 思いもかけない相手だった。 そうだ、京都へ行こう!! というわけで、この日は両親ともども京都へ。 でも、大人になってから「京都」に対して抱く興味を子供の頃に持っていたはずはなく、今頃になって行ってみたいところだらけになってしまった。 なので、大阪に帰省している今は絶好のチャンスなのだ。 そこで、僕が今回京都へ行くに際しまず最初に……というか、唯一選んだ目的地は……… 東映太秦映画村!! 関西地方に在住の方以外で太秦という字を見て「うずまさ」と読める人は、おそらく修学旅行で京都に来たことがあると思われる。読めないでしょう、普通。 僕はけっして水戸黄門のファンではないが(東野英治郎の頃はファンだった)、時代劇、それもフィルムで撮影された昔の作品の大ファンなのである。 そんな時代劇になくてはならないのが、ここ太秦の映画村だ。 子供の頃に一度親に連れられてきたことがある僕には、その「江戸の街の様子」が、細部をちゃんと見るとまるっきりの作り物やん!!ということも含めてとても印象的で、時代劇ってこういうふうに作られているのか……ということをおぼろげに理解した初めての体験だった。 一方うちの奥さんはといえば、さすが関東の学校、中学の修学旅行で京都に来たことがあって、その際にこの太秦の映画村を訪れたのだという。 が。 さてさて、お互いに2度目とはいえ、記憶にないに等しい状態で臨む現在の太秦は?? 太秦へは、阪急京都線大宮駅を降り、地上に出てから嵐電(らんでん)に乗り換える。 なんか素朴でかわいい。 あれ?こんな入り口だったっけ?? なになに、ひょっとして中身も最近の昭和レトロブームに乗っかって、江戸時代からいっきに昭和30年代あたりまでワープしてるとか?? 実はこの隣に、団体客用(?)の通用門があるんだけど、お城の門のような立派な風情。そっちのほうがらしくていいのになぁ……。 入場料金は一人2500円!! エントランスの近代的な建物こそ今風のつくりになっていたけれど。 江戸時代だった!! どうです、ホントの江戸の街っぽいでしょ。
この風景、ちゃんと青空が出てくる時代劇を見ていたら、必ず1度や2度は出てくる場所である。 このセット、暖簾をくぐると単なる倉庫のような空間、ってのも多いんだけど、側だけではなく、ちゃんと中に入れる建物もけっこうある。 さあ、この部屋はいったい誰のおうちでしょう? 正解はこれ! 誰が呼んだか、銭形平次の家!! |
その他、いろいろ見所を。
運河のシーンや船からの荷揚げ、もしくは港のシーンで必ず出てくる池。 |
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突如現れたネッシー。 |
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ちなみにうちの奥さんが写っている写真の後にある倉庫のようなもの、裏にまわると……… |
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ご存知日本橋。 〜♪男の俺が選んだ道だぁ〜という歌とともに、 |
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ちなみにこれは、三十数年前の「日本橋」。 |
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……それから三十数年後。 そういえば、日本橋という字が消えている。 |
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そば屋の親父に扮した江戸屋猫八が顔を出しそうな屋台 。 |
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北町奉行、遠山左衛門尉様ぁ、御出座ぁ〜〜 「これより、黒和算愛乱堂の横領事件について吟味をいたす。一同の者、面を上げい」 …のシーンでお馴染みのお白洲。 |
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表札を変えればなんにでも変身する屋敷の門。 |
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映画「憑神」に出てくる三巡り神社。 ちなみに、ここはご利益らんどという変な一画なんだけど、もう抱腹絶倒(?)のアトラクションがあるので是非足をお運びください……。 |
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密偵の伊佐次をやって! …という僕のリクエストに応え、 しかし……。 |
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途中、仲見世どおりにあった当り矢コーナー。 ……見事2本的中!!! 思わず出かかったオヤジギャグをグッとこらえるのが大変だった……。<何が言いたかったかわかります?? |
こんな具合で、けっこう楽しめる。 すると、新撰組隊士がその池田屋に入ろうとしていた。 いかん、中にいる浪士たちに事態の急を告げねば!! 物陰から脱兎のごとく飛び出し、新撰組隊士よりも先に池田屋に駆け込もうとした僕を、隊士の剣が襲いかかる!! ギャーッ!!……………………
……………斬られちゃった。 うちの奥さんの演技力のことを言えない斬られ方だなぁ……。 「斬りましょうか?」 と言ってくれたのである。 漢字はわからないけど、マキノカツヤというお名前だそうで、2時間スペシャルの時代劇に出ることが多いのだとか。この写真を家宝にするためにも、いつの日か大物になってくれるよう、今後の彼に期待しよう。みなさんも応援よろしく!! 時代劇スペシャルは要チェック!! ほかにも映画文化館だとか時代劇扮装の館とか(もう少し安かったら扮装してたのになぁ!!)いろいろあるけれど、やはり楽しいのはこれら撮影用オープンセットだ。 実際、つい先日ためしに観てみた水戸黄門の面白いこと面白いこと! ここ太秦周辺は、映画産業が隆盛を極めていた頃には東映以外にも数多くのスタジオがあったそうで、今の規模どころではないオープンセットがそこらじゅうにあったという。 おまけに時代は高画質へと驀進している。 水戸黄門をはじめとする最近の時代劇がどうにもチャチく見えてしまうのは、それが大きいのだろう。 そういう意味では、時代劇に関する限り、フィルム調にわざと画質を変えるほうがいいような気がする。実際そうやって作っているものもけっこうある。 この東映の映画村自体も、時代劇と映画産業の衰退により、往年のような華々しさはないのかもしれない。でも時代劇がこの世にあり続ける限り、いつまでも楽しめる場所であることは間違いない。 みなさん、金閣寺も銀閣寺もいいけれど、京都へお越しの際は、(ちょっと入場料が高い気がするけどもグッとこらえて)東映太秦映画村をよろしく!! さてこのあとは……… ついにあの人が登場する!! |