全長 10cm
けっして「珍しい」というわけではないものの、幼魚の頃は食・住でサンゴへの依存度が高いアケボノちゃんは、98年の白化以後めっきりその数を減らしていた。
それがここへきてサンゴ礁がかなり復活し、島の沿岸に辿り着いたアケボノのチビちゃんたちも健やかに成長、恋の季節にはときとしてオトナが集団になるほどまでになった。
なのでてっきりミドリイシなどの造礁サンゴ系のポリプを主食にしているのかと思ったら……
このアケボノチョウはソフトコーラルのポリプにやたらと執着していた。
口元のアップ。
カメラを向けて近寄っても全然逃げず、我に返ってワタシがそばにいることに気づくといったんはその場を離れるのだけど、すぐに戻ってきては同じ場所をつつきまくっていた。
よほど美味しかったのだろう。
水納島の場合、アケボノチョウの幼魚はリーフの外では観られないから、通常のボートダイビングでチビに会うのはまず無理。
しかしながら秋口にリーフ内のサンゴが密生しているあたりで潜ってみると、そこかしこでチビチビアケボノに出会うことができる。
ちなみにこれまでの人生最小級アケボノチョウチョウウオは↓こちら。
この年(2016年)の10月は時化のためにボートを出せない日が多く、仕方なくカモメ岩方面のインリーフに潜る機会が増えたのだけど、アケボノチョウチョウウオのチビチビがやたらと多いことに驚いた。
この調子で増えていくなら、ユウゼン玉くらいの群れになる日が来るかも。
ユウゼンといえば、その昔八丈島で初めて潜ったとき、現地のガイドさんが、中層を指差して猛然とダッシュをした。
すわ超大物かッ!?
とばかり、我々も一所懸命ついていったところ、ガイド氏の指差す先には……
……アケボノチョウチョウウオが。
伊豆方面では季節限定のレア商品なのだった。
1匹でさえヒーローになれる海にこのアケボノ軍団が現れれば、水納島の海にユウゼン玉が出現したくらいの衝撃になるに違いない。
※追記(2019年12月)
人生最小級を更新した!
シーズン中はボートその他の往来が頻繁なため、とてもじゃないけど潜っていられない(ゲストは夕方潜れるけど…)桟橋脇は、オフシーズンの時化模様の時には安全地帯になることもある。
そこで……
アケボノチョウの激チビ!
額(?)のあたりの丸みを帯びたラインを見てもわかるとおり、つい先ごろトリクティス幼生時代を終えたばかりなんですぅ…と言いたげに見えるくらいに小さな1cmほどのチビチビだ。
もうすぐ師走というのに、まだこんな激チビがいるんだなぁ…。
今年(2019年)はカモメ岩側のインリーフでも各種チョウチョウウオのチビが多く、アケボノチョウも各サイズのチビチビがいろいろ居てくれた。
チビの頃からペア行動をしているものもいて、ほのぼのしていて可愛らしい。
こういう写真だとなにやら気取って泳いでいるように見えるかもしれないけれど、ときどき2人は……
小さな恋のメロディ♪