全長 8cm(写真は1cmほどの幼魚)
アオサハギといえば、その昔伊豆の大瀬崎で潜っていた頃によく見かけたものだった。
オトナになってもせいぜい7〜8cm程度で、丸っこい体つきがオトナも幼魚も可愛く、おまけに背景が色鮮やかなトサカだったりすれば、モデルとしてバッチリのお魚だ。
日本固有種とされているアオサハギの主な分布域はあいにく温帯域の日本沿岸なので、沖縄で出会うことはまずない……
…と思いきや、チビターレが水深20mチョイの砂地の海底にいるではないか!
いるではないか!と驚いて見せつつ、それはデジイチデビューをした2007年のこと。
にもかかわらず、そのジジツに驚いたのはその11年後、今これを書いているときだったりする。
11年前、「アオサハギがいた!」などとワタクシ騒いでいましたっけ?
後にも先にもこのとき限りのアオサハギ、もちろんのこと水納島でオトナに出会ったことはない。
撮影当時は一期一会的その重大なジジツに気がついておらず、ふーん、カワハギ類のチビね…とばかり、テキトーにパシャパシャと撮っただけで終わってしまったかも。
なのでかろうじて横向きの写真は、これしかない。
水納島にアオサハギがいたなんてなぁ………今さらしみじみ。
しかし調べてみると、同じくレア扱いながらも沖縄各地で撮影されているようで、ネット上に転がっている写真の中には、パプアニューギニアで撮影されているアオサハギの幼魚らしき写真もあった。
もしホントにそれがアオサハギなら、日本固有種じゃないじゃん。
というか、ここで紹介しているものたちって、ホントにアオサハギですよね?
< 今さら?
※追記(2021年10月)
その後もワタシは再会を果たせていないままながら、昨年(2020年)オタマサがアオサハギ(と思われるチビターレ)と遭遇した。
アオサハギの激チビターレは、その形状から「魂」という愛称がつけられているのだけれど、1cm弱のこのチビターレは、「魂」よりもほんの少し大きなポスト・タマシイといったところか。
オタマサによると、ゲストをご案内中に発見した2日前には頬のあたりの縞々が無かったそうで、その頃ならホントに「魂」だったかもしれない。
ああ、2日前にカメラを携えて潜っていられれば…
…という後悔は、先には立たなかったかわりに1年後に立ってくれた。
まだ水温が上がり始めたばかりの今年(2021年)5月のこと、再びオタマサが、わりと深めの砂底に生えていたウミエラに寄り添っているアオサハギのチビターレと遭遇。
そのサイズ、5mmほど。
そんな激チビターレを拡大してみると…
これはいわゆる「魂」サイズではありますまいか。
アングルを変えてみると……
おお、まさに「魂」!
ネット上で見られるアオサハギの「魂」は、海藻に寄り添っているからか緑色をしているものばかりなのに対し、この激チビターレはウミエラを拠り所にしているためか、ほんのりピンク色。
桃色魂だなんて、けっこう珍しくないですかね?
…というか、これホントにアオサハギなんでしょうか??
< 今さら?