水納島の魚たち

アオスジスズメダイ

全長 5cm

 ルリスズメダイの仲間の中では、群を抜いて深いところに住んでいる。

 ドロップオフ地形なら、崖が終わってなだらかなガレ場になるあたりに、長く根が続く地形ならそれがとぎれたあたりに広がるガレ場にいる。

 深いガレ場となると、あたりはめっぽう暗い。

 そんな暗がりでは目の上の青いラインが妖しく輝いて見え、とっても目立つ。


※実際はこんなに暗いわけではありません。

 群れなすわけではないものの、礫が転がる海底付近にたくさん散らばっているので、その輝く青いラインが幻想的ですらある。

 なかにはチビチビもいて、体に比したラインの幅が太いから、オトナ以上に妖しい輝きを放っている。

 ガレ場は一般的には荒れ野の果て的荒涼感があるけれど、変態的嗜好の方にはある意味楽園でもある。

 そういう場所に行って小さなスズメダイを見る、というのもまたオツなものなのだ。