全長 70cm
沖縄ではひとくちに「ガーラ」と称されることが多いこの手のアジの仲間は、釣りの対象魚でもあるので、ネット上で画像検索などしてみると、出てくる写真は釣果のほうが多かったりする。
たしかに50cmを軽く超えるサイズとなれば、太公望たちにとっても魅惑の魚なのだろう。
残念ながら水納島ではそういった大型のガーラとはそうしょっちゅう出会えるわけではないけれど、大きく育ったホシカイワリと、たまに出会うことはある。
その名のとおり体には黄色〜褐色の点々模様が星のように散らばり、たいてい薄く黒帯模様が出ている。
同じヨロイアジ属のコガネアジの真っ黄色じゃないバージョンも似たような姿形と模様なのでややこしい。
でもコガネアジの星模様はお腹のあたりまで広がっているし、点々の黄色はより鮮やか。
そもそもコガネアジは育っても40cmそこそこらしいので、50cm超ともなればホシカイワリだと思って間違いない。
ホシカイワリに限らず、水納島ではこの手の大型のガーラは、せいぜい単独で泳いでいる姿をたま〜に見かけるくらい。
ところが昨年(2019年)9月のひところ、とある岩場のポイントの水深25mほど岩礁域で、なぜだかホシカイワリがしばらく居続けてくれたことがあった。
それも……
コンビ!
トリオ!!
カルテット!!
ダイバーが吐く泡をキラキラ光る系の小魚と勘違いするのか、ホシカイワリたちの方から近寄ってきてくれる。
いずれも50cm超級の大型個体だから、間近で観るとなかなか壮観だ。
何がよくてしばらくの間同じ場所に居続けてくれたのかは謎ながら、「そこに行けば会えるホシカイワリたち」なんて、あとにも先にもこの時かぎりのこと。
その限られた期間にたまたま何度も通えたのは、ある意味天の配剤だったのかもしれない。