水納島の魚たち

イソハゼ属の1種

15mm

 昨夏(2021年)オタマサが砂地のポイントで出会った小さなイソハゼの仲間は、パッと見はシロイソハゼ?という雰囲気だった。

 でも写真をPCモニターで見ると、わりと目立つ頭部の模様はシロイソハゼとは違うようだし、シロイソハゼと似ているとされるクロホシイソハゼとも違って見える。

 はてさて、なんじゃらほい?

 …と思ったのを最後に画像は記憶の底に眠ってしまい、1年経ってふとしたはずみで画像の存在を思い出したところで、ようやく見当をつけることができた。

 どうやらこのイソハゼは、「新版・日本のハゼ」にて「イソハゼ属の1種-6」として紹介されている種類っぽい。

 あいにく尾ビレを隠した状態のまま微動だにせず、動いたと思ったらシュッと引っ込んでしまったために、尾ビレまで写っている写真はない。

 それでも顔の周りや胸ビレの感じからして、おそらく間違いないだろう。

 まだ和名が無いだけではなく、(新版刊行時の2021年時点では)学名すらないイソハゼだもの、すぐに種類がわかるはずはなかった。

 ちなみにいえば、図鑑に載っているものより色鮮やかでもあった。

 後にも先にもこの子1匹だけなものだから、どのあたりで観られるイソハゼ、なんてことが言えるはずはなし、同じ場所に行ったからといってまた出会えるものでもなさそう。

 というか小さいイソハゼだから、たとえいたとしても、クラシカルアイではよほどの偶然でもないかぎり気づけないかも…。

 このままオタマサが残したこの記録だけの、儚い一期一会で終わってしまうのだろうか?