全長 50cm(写真は40cmほど))
ちょくちょく訪れる砂地の根で、見慣れない姿形のフエダイ系の魚を見つけたのは、2017年12月のことだった。
普段目にするフエダイたちに比べ2回りほど大きく、それでいて体色には目立つ黒点以外目を引くものが無いために、アカヒメジの群れに混じっていても、色合い的にもサイズ的にも随分浮いて見えた。
どうやらこの魚、クロホシフエダイという魚らしい。
フツーにここにいます…的なたたずまいの大きめな魚ではあるけれど、この年にここで出会うまで、チラともその姿に出会ったことはない。
ところが釣りを楽しむ方々には他のフエダイ類同様お馴染みのようで、イッテンフエダイとの見分け方にしろなんにしろ、検索してみると「釣った、食べた」というサイトのほうが圧倒的に多い。
図鑑的にもさほど珍しい存在ではなさそうながら、釣果の写真に比べれば、ネット上には海の中で撮られた写真はほとんどないといってもいい。
いかにダイバーに相手にされていない魚かということがよくわかる。
幼魚はやはりマングローブ域のような汽水環境を好むようなのだから、そういった環境が無い水納島近辺の海に多数生息しているとは考えにくい。
地味ではあるけれど、少なくとも水納島では、いつでもどこでも観られる魚ではないことだけはたしかだ。
偽物扱いのニセクロホシフエダイはたくさんいるのに、本家クロホシフエダイはレアだったとは…
せっかくだから、この機会にその姿を残しておこう。
※追記(2021年8月)
結局このクロホシフエダイは、この年(2017年)の冬の束の間だけここに居てくれただけで、その後今(2021年8月)に至るまで、一度も目にしてはいない。
たとえ証拠写真程度でも、記録に残せておけてよかったよかった。