全長 12cm
ミカドチョウチョウウオは、本来であればある程度の水深でサンゴが広がっているような環境を好むので、水納島では砂地のポイントよりも岩場のポイントのほうが出会う機会が多かった。
ところが現在(2017年)のようにリーフにミドリイシ類が広がっていると、砂地のポイントであってもリーフ際は彼らが生息できる環境だからか、このところ少しずつ出会う機会が増えている。
シーズン中なら、早ければ梅雨時くらいから、1円玉サイズの幼魚に出会うこともある。
近年は砂地のポイントのリーフ際にたどり着くミカドチョウチョウウオのチビチビが増えているため、このほか各成長過程の幼魚を観る機会がある。
同サイズっぽくても、微妙に尾ビレ付け根の模様が違っていたりするものも。
これくらい小さいとさほど行動範囲は広くないので、よく行くポイントならその後の成長を追うこともできる。
この子がもう少し成長すると…
ずいぶんオトナっぽくなる。
少し前までは冬を越して翌年まで同じ場所で生き残ることができた子はまずいなかったのに、近頃はそのままオトナになって、しかもちゃんとペアになっているモノまでいる。
今と比べれば圧倒的にサンゴが見事だった98年の白化以前ですら、砂地のポイントのリーフでミカドチョウチョウウオのオトナのペアを観る機会なんて、まず無かったと記憶しているのだけど……。
これはひょっとして、水納島自体の環境というよりも、ミカドチョウチョウウオが繁殖している海域の個体数増に起因しているのだろうか。
どこだか知らないけど、ミカドチョウチョウウオの供給源海域にそっと感謝しておこう。