全長 5cm
オジロスズメダイと同じ日にほぼ同じ場所で出会っていたミナミイソスズメダイもまた、種類不明のまま画像がハードディスクの海に沈んでいた。
記憶の底に眠ったままになっていたのは、ようするに普段出会っていないからということかもしれない。
図鑑によるとこのスズメダイもやはりリーフ内の浅いところを好むらしく、普段の水納島でのボートダイビングではほとんど縁がないのだろう。
リーフの外であっても、今もなお当時と同じような場所でオジロスズメダイともども観られるものなのか、台風か何かの影響で当時たまたまだったのか、それを知るためには足繁くリーフの切れ込みに侵入していくほかない。
冒頭の写真を撮影したとき(2008年)には、若魚も同じ場所にいた。
幼魚から若魚にかけての眼状斑といい、オトナの色味といい、他に似たようなものがワラワラいるなか、コイツをミナミイソスズメダイだと認定している決め手は、眼の後方にチョンとある小さな黒点。
この姿形にこのサイズ、この色味で、なおかつここにチョンと黒点があれば、ミナミイソスズメダイで間違いないようだ。
とはいえオトナはかなり地味地味ジミー、わざわざリーフの切れ込みに侵入してまで会いたいスズメダイ、という存在にはなり得ないだろう。
その点幼魚なら美しい色彩……
…かと思いきや、チビターレもオトナとさほど変わらぬ色合いで、せいぜい眼状斑が大きく目立つ程度のようだ。
目を皿のようにして探したくなるほどでもない(※個人の感想です)。
ミナミイソスズメダイの激チビと遭遇する日は、一生来ないかもしれない…。