全長 30cm
特大サイズのチョウチョウウオ。
おそらくそのサイズはチョウチョウウオ類中最大級で、いわばチョウチョウウオ界のオオゴマダラだ。
大型ヤッコほどの存在感だからいれば誰の目にもつくし、たいていペアでいるから見逃すほうが難しい。
ただし水納島では彼らのサイズにしては生息域が狭すぎるのか、普通種といえるほど観られるわけではない。
そのため、ときおり彼らが通りかかってくれると、それだけでとてもうれしい。
↑このように体の模様が乱れていると、その半年後に同じポイントで出会ったニセフウライチョウが…
…まず間違いなく同じ個体であることもわかったりする。
ニセフウライチョウにかぎらず、ダイバーに遭遇するのは迷惑なものだから、カメラの前から逃げようとする魚は多い。
大きなニセフウライチョウはむしろ警戒心が強く、逃げる距離も半端ではないため、なかなか写真を撮るチャンスには恵まれず、でっかいオトナのペアを撮ったことはない。
ただしここ数年(2022年現在)どういうわけだか若魚の姿がチラホラリーフエッジ付近で観られるようになってきており、でっかいオトナに比べると警戒心はさほどでもないおかげで、小ぶりながらもペア写真が撮れた。
ただしこれはペアのように見えるだけで、実はまだ「二人の世界」にはなっていない。
繁殖期なのかなんなのか、↓こういうことになっていたのだ。
こういう段階を経て、やがて仲睦まじきペアになっていくのだろう(3匹の内2匹は、ってことだけど)。
それにしても、若魚サイズとはいえニセフウライチョウのトリオだなんて、ひと昔前では考えられなかった。
やはり個体数が増えているってことなのかもしれない。
幼魚はどうやら穏やかな浅いところを好むようで、過去に1度だけビーチ内で出会っている。
オトナの個体数がそれほど多くないことを考えると、ビーチをはじめとするインリーフをサーチしたからといって、そうそう出会えるとは思えないチビターレ。
普段のボートダイビングに比べれば、ビーチやその他インリーフで潜る回数は極少とはいえ、過去27年でこの子にしか会っていないくらいのレアものである。
※追記(2019年11月)
オフシーズンになり、カモメ岩の浜からインリーフを潜ってみたところ、ニセフウライチョウのチビに遭遇!!
チビとはいってもすでに5cmほどにまで成長しているけれど、尾ビレ付け根の眼状斑はかろうじて健在だ。
あっという間に遠くまで逃げてしまうオトナとは対照的に、まだ行動範囲が限られているチビは、とっても写真が撮りやすい。
ずっと観ていると、まさかインリーフにいることもあるとは思ってもみなかったシチセンチョウの若い子とランデブー。
こんなツーショット、サイズの差がありすぎるオトナ同士ではありえないはず。
※追記(2022年11月)
時化続きということもあってボートを渡久地港に上架させ続けている今秋(2022年)は、ビーチエントリーでリーフ内を潜る機会が多くなっている。
そのおかげで、ついにニセフウライチョウチビターレと遭遇することができた。
何を隠そう先に紹介しているチビターレはオタマサがビーチで撮ったもので、ワタシ自身はいまだ目にしたことがなかった100円玉サイズ。
これまでは先に紹介している5cmほどのチビが最小だったから、人生最小記録を大幅に更新したのだった。