全長 10cm
オヤビッチャとシリテンスズメダイほどのそっくりさではないものの、お魚の違いを見分けるのが苦手な方は、このロクセンスズメダイもオヤビッチャと混同されているかもしれない。
オヤビッチャよりも潮通しのいい岩場を好むようで、水納島の場合、岩場のポイントで見られるこの手の魚は、ほぼすべてロクセンスズメダイと思って間違いはない。
けっこうな巨群を作るので、彼らがサッと一斉に泳ぐさまは「群れ」って感じがしてカッコイイ。
砂地のポイントでは、リーフ際あたりでオヤビッチャと一緒に泳いでいることもある。
ただし砂地のポイントにいるロクセンスズメダイは岩肌に寄り添っているのが好きらしく、上の写真ではオヤビッチャたちと一緒になって中層でプランクトンを食べているように見えるけれど、カメラを構えているワタシの背後はすぐリーフで、奥が沖側になる。
こういう場合、ロクセンスズメダイはリーフに近いところでだけ食事をしていて、オヤビッチャのようにリーフから離れたところにいることはほとんどない。
むしろ↓こういうところのほうが好きらしい。
だからといってそこにオヤビッチャがいないわけではないけれど。
こういうところで群れながら、動物プランクトンなどをパクついている食生活を送っているものだから、リーフエッジ付近でベラ類が産卵しようものなら…
産みたてホヤホヤの高カロリーの卵を、我先にと貪り食うことになる。
こういうときはオヤビッチャも混じっているけれど、尾ビレにシュッシュッと入っている線を見れば、ロクセンスズメダイであることは一目瞭然だ。
それにしても不思議なのは、このロクセンスズメダイ、どこをどう数えても、線は6本無い。
ひょっとして、尾ビレの線も加えてのことなのかな??
すると7本になるんですけど……。
あ、ひょっとして尾ビレの上端の線と尾ビレ付け根の短い線は繋がっているから合わせて1本で、そして尾ビレ下端をプラスして6線ってことか…。
線のナゾはともかく、オヤビッチャと同じく幼魚の頃はリーフ内で観られ、出始めの頃なら、桟橋脇にもよくたむろする。
もう少し成長すると……
オトナになるとリーフの外だけが暮らしの場になるオヤビッチャと違い、ロクセンスズメダイはそれなりに水深がありさえすればオトナでもリーフ内に残っているから、カモメ岩周辺のリーフ内のサンゴが多いところなどでは、若々しい姿をフツーに間近に観ることができる。
なんとなくボヤけてしまりが無くなるオトナと違い、青年のキリッとしたマナザシが爽やかだ。