全長 10cm
水納島で観られるアブラヤッコ属のなかでは、最も照れ屋さんなのがこのルリヤッコだ。
彼らが主に住んでいるのは岩場で、サンゴや岩が十重二十重に折り重なって物陰を作っている場所が大好きらしい。
なので水納島の場合、砂地のポイントならリーフ際、岩場のポイントなら10m以深の岩肌で出会えるけれど、警戒心が強いため、そこにルリヤッコが…とゲストに指し示そうとするだけで逃げてしまうこともザラだ。
その体色には個体差がけっこうあって、ほぼ丸ごと青いものがいるかと思えば、別種かと見紛うほどに赤みが強いものもいる。
ひょっとして、アカハラヤッコとの交雑個体だろうか?
ここまで赤味が強いものを目にする機会は少ないけれど、深場だと赤くなる傾向があるのか、上の子のパートナーはといえば、ここまで赤くはないものの、それでも赤味が随分強かった。
リーフ際などで観られるものの中には、お腹の部分だけがやけに赤いものもいる。
ルリヤッコといいつつ、赤味の部分でバリエーションがあるのも面白い。
ともかく青味が強い個体は、さすが「瑠璃」と名がついているだけあって、海中で観るその深い青色は、写真とは比べものにならないほど、なんだか気高く美しく、そこいらにいるアカハラヤッコやナメラヤッコなどとは発するオーラのモノが違う。
まだ海中で認識したことがない方には、そのオーラ、是非とも味わっていただきたい。
※追記(2022年10月)
ルリヤッコの美しい瑠璃色に注目するあまり、ここまでずっと横から見た姿しか紹介していないことに気がついた。
警戒心が強いルリヤッコだから、そうそうカメラ目線でゴキゲンさんな顔を撮らせてもらえる機会は少ないのだけれど、初夏に出会う彼らは普段に比べてかなりフレンドリー…というか、警戒するよりも大事なことがある的な大胆さを見せてくれる。
ひょっとすると、繁殖期に差し掛かったオスがやる気モードになっているのかもしれない。
ゴキゲンさんな顔を拝むなら、そういう時期がチャンス。
なんともプリティルリルリ。
プリティといえばチビターレ、しかしオトナでさえ警戒心が強いルリヤッコのこと、チビターレとなるとなかなかカメラの前でその姿を露わにしてくれる機会は少ない。
ところが、こちらがまったく別の魚を撮ろうとしているときは警戒心がゆるくなるのか、束の間チャンスを与えてくれた。
3cmほどのルリルリベビー。
チビターレの頃から赤味が強い子にはまだ出会ったことがないところからすると、体に赤味が加わってくるのはオトナになってからってことなのかもしれない。
※追記(2023年6月)
様々なチビチビたちが目立つようになる梅雨時(2023年)のこと。
小型ヤッコ類のチビたちも目立ってきたなか、たとえ姿は見えても撮るのは厳しいルリヤッコチビの姿もあった。
まぁ観るだけで終わるのだろうなぁ…と半ば諦めながらカメラを向けてみると…
…撮らせてくれた。
3cmに満たない頃から、その体には赤味が。
どうやらチビターレの体色も、オトナ同様個体差らしい。
それにしてもチビターレ、色味はオトナとさほど変わらないけど、体に比したオメメの割合が大きいから、クリクリオメメがなんとも可愛い。
オトナでさえ正面から見るとやたらと可愛いルリヤッコ、オメメクリクリフェイスとなればさぞかし…。
なんとか正面から撮らせてもらえないかなぁ。
かなり警戒心が強いので、岩陰から出たり入ったりする様子をそうそう間近からは眺められないものの、遠めから観ていたらチャンスはあった。
たとえ遠めから撮った写真でも、トリミングすれば…
Oh!プリティ♪