12cm(写真は5cmほど
2021年〜2022年の冬は秋からの軽石騒ぎのあおりで、ボートをずっと渡久地港に上架したままにしていた。
幸か不幸かこの冬は冴えない天気のほうが多く、せっかくの海日和なのにボートが無いッ!なんて思いをすることがほとんどなかったんだけど、それでもたまにはそんな日もある。
そんな日には、普段滅多に行く機会がないリーフ内を潜っていた。
滅多に訪れないから、リーフ内でしか観られないような魚たちならどれを見ても目新しいので「ん?」となる。
とはいえあくまでもそれは普段観る機会が少ないだけで、すぐに旧知・既知であることがわかる。
ところが2月の半ばの束の間の海日和の日のこと、エントリー早々に目にした↓この魚はの場合…
「ん?」のあとに、長く「…………」が続いた。
はて、いったい誰だっけ?
見たところ〇〇キュウセンという名が多いホンベラ属の魚のようで、特に美しいわけでも目を引く動きをしていたわけではない5cmほどの魚。
パッとはしないものの、どうもこれまで撮ったことがない魚のような気がしたから、念のため何枚か撮っておいた。
後刻図鑑で調べてみれば、開けてビックリ玉手箱。この魚は、撮ったことがないどころかこれまで見たことが(認識したことが)無い魚だった。
その名もセイテンベラ。
ここで紹介している子はメスで、立派なオスはミツボシキュウセンにも似たカラフルな色味になるようだ。
「ベラ&ブダイ」によると浅いところが大好きな種類のようで、図鑑に掲載されている写真はいずれも水深ひと桁メートル、しかも9枚ある写真のうち8枚が5m以浅で撮られているものだった。
水納島で言うなら、彼らの生息環境はリーフ内ということなのだろう。
けっしてレアというわけじゃなさそうなのに、これまで認識したことが無かったのは、そのあたりに理由がありそうだ。
なにしろ1248種類も載っている「日本の海水魚」にすら載っていないくらいだから、ワタシがこれまで知らなかったのも無理はない。
いやはや、最大水深2mに満たない1時間ちょいほどのダイビングで、人生初遭遇とは…。
インリーフ、侮りがたし。