全長 8cm
浅いところにごくごくフツーにいるわりには、じっくりご覧になったことがあるという方は多くはないであろうシボリキンチャクフグ。
水納島の砂地のポイントでも、フツーに出会えるフグではある。
ただ、リーフエッジ下あたりの暗がりが大好きなので、そういうところに眼をやっていなければ存在に気づく機会があまりない。
体の模様はわりと目立つから、出会っているのに気づかないなんてことはないけれど、彼らはかなり神経質なので、たとえ出会えても、お近づきになろうとするとすぐにピューッと逃げていく。
なかなか観察しづらいフグなのだ。
ところが、梅雨時の6月に出会った取り込み中の2匹は、どうやら一方的にテンパッているオスからメスが逃れようとしているところだったらしく、メスしか眼中にないオスは、そばにいるワタシのことなどまったく意にも介さない。
それどころか、向けられたカメラには敵意剥き出しで睨みつけてくる始末。
それも一瞬だけのことじゃなく。
ポートのガラス面に映った己の姿をライバルと勘違いして、闘争心を燃やしていたのだろうか。
いずれにしても、普段のシャイすぎる様子からは想像もできない盛んな血気。
女性が絡むと性格が変わるのは、なにも人間だけのことではないらしい……。
といいつつ、シボリキンチャクフグのオスとメスを明確に図示してくれるサイトも図鑑も見当たらなかったので、ホントにこの2匹がペアなのかどうか、実は自信がない。
ただし追う側追われる側で、多少の違いがある。
追われていたほうは小ぶりで、こんな感じ。
一方追いかけていたほうはこれよりもやや大柄で……
こうして見比べてみると、背ビレ付け根あたりに違いが観られる。
でもシボリキンチャクフグって、背ビレ付け根のところに眼状斑っぽい模様があるイメージなんだけどなぁ…。
これって、やる気モードバージョンとか?
フツーにいるのに滅多に注目する機会がないから、オスメスの差異すら知らないことに、今さらながら気づいたのだった。
そういえばシボリキンチャクフグのチビターレにも会ったことがない。
身近にいるのに全然知らないシボリキンチャクフグ、またやる気モードになっていたら、じっくり注目してみようッと。