水納島の魚たち

シジュウカラ

全長 30cm

 台風がなかなか来ない今夏(2024年)は、7月も下旬になってようやく遠方の台風の影響をチラ…と受けはしたものの、夏至南風が終わってからはおおむね海況は安定しており、西側のポイントにも気の向くままに足を運ぶことができている。

 水納島の西側は、桟橋側の海とは違って白い砂底環境ではなく、リーフから長い根が沖に向かって幾本も伸びる地形的なポイントになっているんだけど、そこで遠目に「チラ…」と見かけたブダイは、これまで目にしたことがない色模様をしていた。

 それから日を置いて再訪してみたところ、すれ違いざまながらももう少し近いところから観ることができた。

 といってもすれ違いざまのこと、せいぜい1、2度シャッターを押せただけで、それも光が届いていない画像を無理矢理補正しているから、冒頭も↑この画像もリアルカラーではないのだけど、少なくともこれまでまったく目にしたことがない配色であることだけはわかる。

 (個人的に)既知のブダイの色彩変異なのかな?

 と思ったものの、その「既知」のブダイが思いつかない。

 帰宅後図鑑で調べてみたら、このブダイはその名も「シジュウカラ」という、(図鑑的には)日本では稀な種類であるらしいことがわかった。

 ホントに稀なのかどうかはともかく、少なくともこれまで水納島で出会ったことはないはずで、30年目にして初遭遇のブダイだ。

 それにしても、このブダイと、スズメサイズの可愛い↓この野鳥が同じ名前ってどうなのよ。

 野鳥のシジュウカラ(オキナワシジュウカラ)は水納島では観られないけれど、本部町内では秘密基地の庭で観られるくらいにフツーにいる鳥さんで、姿も鳴き声も可愛らしい。

 ちなみにシジュウカラは漢字にすると「四十雀」で、この場合の「雀」はスズメというよりも小鳥という意味合いらしい。

 では四十は?

 …となるとまことしやかな諸説があるようで(鳴き声がシジュ、シジュ…と聴こえるから、とか)、どれもこれもとってつけた感がありはしても、そういわれればとりあえずナットクできるものではある。

 それに対し、このブダイの「シジュウカラ」ってのは、なにがどうシジュウカラなのだろう?

 ひょっとして婚姻色を発しているオスはよりいっそうカラフルで、それが「四重カラー」だから…

 …とか?