水納島の魚たち

シマハタタテダイ

全長 25cm

 ハタタテダイの仲間の中で、その巨大さはオニハタタテダイと双璧をなす。

 オニハタタテダイとそっくりといえばそっくりながら、オニハタタテダイは黄色い部分が多く、体中央の黒帯模様はクッキリと色が分かれている。

 それに対しシマハタタテダイは、グラデーションのようになっている。

 このグラデーションで、わりと瞬時に見分けられるのだ。

 水納島では個体数は多くはないシマハタタテダイながら、遠目でもすぐに発見できるほど大きいから、ご覧になったことがある方も多いはず。

 ただしオニハタタテダイよりも神経質なので、こちらの意識をキャッチすると、彼らはつれなく去っていく。

 なのでたとえ出会う機会はちょくちょくあっても、一生撮ることができない魚だろうと諦めていた。

 ところが冒頭の写真の子は、どういうわけかやけにフレンドリーだった。

 おかげでなんとか記録に残せたのはよかったのだけれど、シマハタタテダイにしては珍しく単独で暮らしていた。

 ひとりぼっちで人恋しくなっていたからフレンドリーだったのだろうか。

 ペアでいることが多いシマハタタテダイながら、神経質な彼らのこと、ツーショットはまず無理だろう…

 …とこれまた諦めていたら、チャンス到来。

 ワタシさえいなければ悠々と楽し気に泳いでいたであろうところ、邪魔してしまったために警戒モード全開になっている2人である。